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ハードウエア仕様検討

 システム設計で、大まかな内容を決めたので、詳細を詰めて
 いきます。


移動手段

 MCRでは、ルネサステクノロジーのH8/3048Fを利用する規定が  あります。  移動手段として、モータを2個利用するとしたので、モータは  扱いやすいDCモータを使います。  DCモータは、PWMで回転数を制御できます。  H8/3048Fには、PWM生成用のタイマー/カウンタが、5チャネル  ありますが、購入できるH8基板のコネクタに、PWM波形出力が  できるビットが複数あります。  PB0とPB2に、チャネル3、チャネル4のPWM波形を出力できる  ので、この2ビットを利用します。  モータをPWMで回転制御できますが、回転方向は2方向あります。  回路規模を小さくしたいので、回転方向はひとつにします。  マイコンの出力だけでは、モータ回転の電力を賄えない  ので、パワートランジスタを利用し、電力を制御します。  ここまで詰めたので、回路図を作成します。  モータを回転させると、逆起電力が発生します(レンツの法則)。  逆起電力で、トランジスタが破壊されることを防ぐために、  ショットキーバリアダイオードを入れています。  モータの電極と並列に入れているキャパシタは、モータから  発生する高周波ノイズを低減します。  パワートランジスタのベースに、LEDを接続して、回転制御の信号が  ベースに入っているときに、点灯させます。また、制御信号がない場合  確実にベースをGNDに落として、トランジスタのコレクタ、エミッタ  間に電流を流さないようにします。

動作開始指定

 動作開始指定は、プッシュボタンスイッチで対応します。  スイッチは、どのコネクタに接続しても構わないので  PWM波形出力と同じポートBがあるコネクタに入力します。  入力値が0か1のどちらかで、動作開始指定となるかを  決めます。0のとき、動作開始指定とします。  PB4に、プッシュボタンスイッチを接続します。

外界把握

 wrobotのようなライントレースロボットでは、外界把握のために  ラインをセンサーで検出する方式が採用されることが多いのです  が、画像処理部門であることを考えて、カメラを利用します。  今回は、GameBoyに接続できるカメラを2台利用します。  このカメラは、1台\500ほどで入手しました。  H8/3048Fでは、内蔵SRAMが4kバイトと小さいので  カメラからの入力データを、外部SRAMに保存します。  また、出力される画像データはアナログなので、H8の A/Dコンバータで、デジタルに変換します。  走行しつつ画像処理をするのは、マイコンには荷が重い ので、サブプロセッサを用意して処理します。  ブロック図で示すと、次のようになります。

電力供給

 モータを動かすには、電力を供給しなければなりません。  利用するモータは、タミヤ模型のツインギアボックスに入って  いる2個のDCモータです。  この2個のDCモータは、最大電源電圧が3Vなので、充電式  のニッケル水素電池を3本利用し、3.6V程度を供給します。  このままでは電圧が高いので、ダイオードで、3.3Vほどに  電圧を下げて使います。  H8を含めた他の回路は、5V程度の電源が必要なので充電式  のニッケル水素電池を5本利用し、6V程度を作ります。この  ままでは電圧が高いので、ダイオードで少し落としておきます。

補助回路

 走行しつつ画像処理をするのは、H8/3048Fには荷が重いので  サブプロセッサを用意します。  サブプロセッサは、AVRのような小さなマイコンでもよい  のですが、高速化を意識し、CPLD中にカメラの制御回路を  封入します。  手持ちのXC95108を利用します。
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