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力学での活用

 高校2年のときは、物理が必修科目でした。

 力学、波動、電磁気、核物理の4本建てで
 構成されていましたが、すべての分野での
 spreadsheetの利用ができると思いました。

 物体の運動は、力という概念を利用
 して解析できるとするのが、力学を
 語る上での大前提にあります。

 次のような物体の運動を、力を利用して解析できます。



 地球上にある物体を、斜角thで初速度v0で打ち出した
 ときに、最高点と到達距離を大まかに計算するときに
 上の図面を利用します。

 ロフテッド軌道に乗せることは考えず、野球球場の
 中で、風や空気抵抗なしという条件での解析が可能。

 野球のボールには回転があるので、回転によるライン
 ドライブによる失速や曲がりを一切排除して、どんな
 動きを見せるのかを解析できます。

 初速度v0、斜角thで打ち出したときに、力が存在する
 のは、垂直方向の重力だけなので、方向と向きがどう
 なるのかを考えます。




 水平方向は、力が働かないので、加速度は0。
 垂直方向は、重力で重力加速度 g が発生しているため
 物体の質量を m としたときに F = ma で示す方程式から
 力は F = ma = m(-g) 。

 水平方向は、加速度がないので等速度運動を続けていき
 垂直方向は、一定加速度が存在するため、等加速度運動
 を続けていきます。

 到達距離と最高点を求めたいので、次の3公式を適用して
 水平と垂直の時間経過ごとの位置を計算します。



 水平方向は加速度が存在しないので lx = v0 x cos(th) x t

 垂直方向は、重力加速度があるので、最高点では
 速度が0であることを利用して、以下。

   0 - {v0 x sin(th)} ^ 2 = 2 x ly x (-g)

 打ち出し位置をゼロとしたときには、最高到達
 距離は、次のようになります。

   ly = {v0 x sin(th)} ^ 2 / 2g

 重力加速度は、9.8 m/s^2 で与えられるので
 初速度を 40m/s として、斜角を5、10、15、20
 25、30度で打ち出したときの時間と垂直到達距離
 の関係は、以下。




 角度は、ラジアンで扱うので、度からラジアンに
 変換する処理を挟み込んでおき、垂直と水平での
 加速度をセルの中に入れてます。

 各斜角での垂直到達距離のグラフを描いてみます。

 5度



 10度



 15度



 20度



 25度



 30度




 斜角が5度から15度くらいまでは、距離がほぼ
 同じで、20度から30度も距離は等しいようだ
 と理解できます。

 水平到達距離を求めてみます。

 5度



 10度



 水平方向は、初速度のcos成分を維持しているので
 斜角が大きいほど、到達距離は短くなります。

 ホームランを狙うならば、角度は小さい方が
 スタンドに到達する確率が高くなるという
 ことがわかります。

 ボールの滞空時間は4秒から6秒程度なので
 センターのバックスクリーンまで到達する
 場合と合致しているとみなせます。

 ここまでは、風の影響を受けにくい球場である
 ドーム球場の解析。

 空気抵抗を無視し、風の影響もないとしての
 垂直と水平の到達距離を求められました。

 風の影響で水平到達距離がどの程度変化するのかを
 spreadsheetを利用して、求めてみます。

 風速 1m/s として、水平方向にだけ追風と逆風で
 働くとしたときの到達距離を計算してみます。



 L列、M列に、逆風と追風のときの到達距離を
 コピーし、グラフで比較すれば、以下。




 初速度 40m/s に対して 1m/s の逆風か追風で
 同じ時間が経過したときに、到達距離に差が
 出ていることをグラフでみると一目瞭然。

 グラフで追風と逆風での投手と打者の
 有利、不利の内容が理解できます。

 風の影響を受けやすい、関西にある甲子園
 千葉にある球場での対策を研究してみると
 面白いかも。

 旅客機であれば気流、フェリーであれば海流をみて
 北から南へ移動するときと南から北へ移動するとき
 では、航行時間に差があると理解できるでしょう。

 フェリーでは、10時間から15時間の乗船でも
 時速で 1km/h 異なると 10km から 15km の違い
 になると計算できます。

 フェリーが就航している港湾都市で 10km から 15km
 の距離は、神戸港と大阪南港に相当。

 時速で 1km/h は、マイルでは 0.8 程度の違いになり
 気流や海流でこの程度の違いは、日常発生しています。

 spreadsheetを力学に応用すると、日常生活で利用する
 交通機関に関係する事例を説明できるとわかります。


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