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グラフと数式はペアで理解
数値を羅列して理解できないことも、グラフでは
すぐにわかることがあります。
数値を並べて、方眼紙に数値を点でプロットした
グラフにするのは面倒。コンピュータを使います。
中学、高校であつかう数式とグラフに限定して
コンピュータでの描画は、他のページで説明。
放物線
放物線のグラフは、単純で以下。
この図は、放物線という用語を意識しています。
質量のある物体を投擲すると、ある高さと距離を
もった曲線を描く。
これが、物理上の解釈になり、North Koreaが開発
に躍起になっている、大陸間弾道爆弾の姿です。
地表から大陸間弾道爆弾を打ち出すと、地球の自転に
よるコリオリ力、曲面上での距離、大気の空気抵抗を
考慮して到達位置を算出します。
大陸間弾道爆弾の技術を利用すれば、ロケットの
「コウノトリ」を実現できます。
ロケットの「コウノトリ」は、ISSに物資を運び
ISSの廃棄物を大気の摩擦熱で燃焼させてます。
爆弾を運ぶのと必要物資を運ぶのとでは、意味が
異なりますが、運ぶという点では一致します。
放物線は、頂点をもっています。
この場合、放物線の数式は、以下。
y = α(x-x0)^2 + y0 αは0ではない実数
αが正のときは、上に凸の放物線といいます。
αが負のときは、下に凸の放物線といいます。
到達距離を考えてみます。
x0は、物体を投擲したときと落下したときの
中点になります。
物理では、最高到達点がわかれば、水平方向の
おおよその移動距離を算出できます。
最高到達点は、計算で求められますが。頂点の
座標は(x0,y0)になります。
2次元では、これでよいのですが、野球の本塁打
では、3次元のために軸をひとつ追加して対応。
放物線を利用した身近な製品は、パラボラアンテナ。
パラボラアンテナは、電波をある点の近傍に集めます。
焦点があるのが、ある点の近傍になります。
大陸間弾道爆弾が垂直方向を考えるのに対して
パラボラアンテナは、垂直方向か水平方向から
の傾きを問題にします。
水平あるいは垂直方向からの傾きを持って考えるのは
面倒なので、水平方向から見た図で考えます。
焦点を使って放物線の式を考えるときは
準線と焦点を導入して表現します。
準線 x=-p,焦点(p,0) に対して,準線と焦点からの
距離が等しい点の集合は放物線 y=sqrt(4px) になる。
xy平面で焦点のy座標を0にするために、準線を
図の左側にもってきます。焦点のy座標が0と
いうことは、焦点はx軸上に存在することになります。
図からわかるように、準線と焦点を通る直線
x=-pとx=+pの中点を通る直線がy軸になります。
放物線 y=sqrt(4px) としているので、準線は2つある
ことになりますが、焦点側ではないと定義します。
放物線を焦点、準線を使って表現できることを
利用すると、宇宙空間で「スイングバイ」航法
に応用できます。
「スイングバイ」を利用すると、方向を変える
速度を変えるが、わずかなジェット噴射で実現
可能になります。
質量のある物体の釣合いと万有引力の法則を使い
向心力と遠心力の釣合いをジェット噴射で換えて
宇宙機の速度を増すか減らしていきます。
映画の「star treck」で、宇宙機の「USS enterpize」を
タイムマシンにして過去に跳躍するシーンがありました。
「スイングバイ」を利用し、少ない燃料を使って加速する
物理的な実現性を議論する場面が印象に残ってます。
直線
考えやすくするために、「y=x」を考えていきます。
グラフにすると、以下。
数式を変形してみると、「y=(x-0)+0」と書けます。
原点(0,0)を通る直線で、傾きが1である直線は
「y=(x-0)+0」となり、「y=x」と変形できる。
これが、直線の定義になります。
もし、点(x0,y0)を通り、傾きαをもつ直線では
y=α(x-x0)+y0
と書けます。傾きαは、0ではない実数という条件が必要。
傾きαの絶対値|α|が大きくなると、直線はxy平面上では
y軸に近づき、絶対値|α|が小さくなるとx軸に近づきます。
この傾きの性質を使っているのが、電車や自動車の座席に
あるリクライニングシート。
傾きを表すときは、x方向とy方向の移動距離の
比率を利用した勾配を使う時とx軸と直線が作る
角度を利用する2つの方式があります。
勾配を使う例では、1000m進んで上下にどれだけ
移動するのかを表すパーミルを使ったり、100mを
移動して、上下にどれだけ移動するのかを示す
パーセントがあります。
直線「y=x」は、100m進んで100m上に移動するので
比率で100/100=1でもよいですが、角度ではx軸と
45度の角度を作っています。
直線の傾きを三角関数では、tan(45)=1/1=1として
表現します。また、cos(45)=sin(45)=1/sqrt(2)で
斜面の長さから見たときの比率を表します。
直線が点(x0,y0)を通る場合、点(x0,0)はx切片と呼び
直線とx軸の交点座標になる。点(0,y0)はy切片と呼び
直線とy軸の交点座標になる。
x切片、y切片を変えると、傾きを変えずに直線は平行移動する。
この性質を利用しているのが、航空会社のLCC。
座席は、レールに載せられてA320ならば166席を
180席程度まで増やせるようにしています。
傾きを持った直線を平行移動で、いくつも描いていくと
航空機の客室にあてる胴長で、詰め込める座席数を計算
して、採算があう座席数を算出できます。
LCCの航空機の座席は、リクライニング可能な範囲が狭く
前後の乗客でトラブルが起こらない仕様にしています。
曲線
直線は、線形性をもつと言って、次の条件をみたします。
f(ax+by)=af(x)+bf(y)
線形性があるので、分解して計算して最後に結合しても
結果は同じになります。
曲線の場合は、線形性がないので、分解の仕方が
異なると、最後に結合しても結果は異なります。
世の中にある計算は、だいたい「線形性をもつ」と
近似して扱うのが大部分です。このカラクリを暗黙
の約束で扱わないと、頓珍漢な事件に発展します。
曲線には、いろいろな種類がありますが、物質の性格
を表現することが多いので、グラフと数式をペアにし
理解しておきたもの。
5種類ほど、数式とグラフの関係を見ていきます。
y = 1 / (x-p)
y = 1 / (x-p) をグラフで表現すると、以下。
点(p,0)に近づくと、値が無限大か無限小になるので
この点を極と呼びます。
北極、南極と同じで、ある物理量が収束するか発散する
点を極と呼びます。約束事なので、他人と話をするとき
は、頭の中で定義を反芻して理解しておかないと辻褄の
合わない会話になります。
どんな性質があるのかリスト。
- p = 0 とすると、極はy軸そのものである
- 極から遠ざかると、値が0に近づく
- 極に近づくと、値が無限大か無限小に近づく
2つ目に書いた内容を、身近な例に当てはめると
旅客機の離陸と着陸で使う曲線になります。
この場合、xの値は正だという条件が追加されます。
y = 1 / x*x
y = 1 / x*x をグラフで表現すると、以下。
y = 1 / (x-p) と比べて、極を持つのは同じですが
極はy軸となり、値は無限大になります。
極に近づくにしろ、遠ざかるにしろ、どちらも
値の変化が激しい。
こんな性質をもっています。
y = 1 / x*x から y = 1 / (x-p)*(x-p) にすると
極がy軸ではない可能性があります。pが0でないと
いう条件をつけると、極はy軸でなくなります。
身近な例では、山を描くときに使います。
Computer Graphicsを扱えば、意味がわかるでしょう。
y = 1 / (x-p)*(x-q)
y = 1 / (x-p)*(x-q) では、pとqが異なれば、極を
2つ持ちます。pとqが同じなら、極はひとつです。
y = 1 / (x-p)*(x-q) で、pとqが異なればグラフは以下。
面倒なので、xが正の場合だけ描いていますが
精密なグラフにしたければ、コンピュータの
表計算ソフトのグラフ描画機能を利用します。
y = 1 / (x-p)*(x-q) は、2項に分解して表現できます。
y = 1 / (x-p)*(x-q)
= {1 / (p+q)}[{ 1 / (x-p) } + { 1 / (x-q) }]
と変形すれば、y = 1 / (x-p) と y = 1 / (x-q) の
合成になります。
y = ax^2
y = ax^2 において、係数 a が0でないとすると
上に凸の放物線(a>0)か下に凸の放物線(a<0)に
なります。
放物線の頂点は(0,0)という座標になりますが
頂点を(p,q)にしたとき、グラフは平行移動で
xy平面上を移動していきます。
頂点を(p,q)としたときの式は、y-q = a(x-p)^2 で
x方向、y方向の減算を採用するだけ。
放物線は、パラボラと言われるので、アンテナや
スピーカに使われる形状だとわかると、親近感が
増すかも知れません。
惑星の運動を表現する「ケプラーの法則」でも
楕円軌道の一部は、放物線を描くことが示され
天文学の研究に使わます。
y = am^x
y = am^x において、係数 a が0でないとすると
mが正であるか負であるかで曲線の形状がガラリ
とかわります。
a > 0 , m > 1
xが0以上の整数で考えると、xが大きくなるに
つれてyも大きくなります。
a > 0 , 1 > m > 0
xが0以上の整数で考えると、xが大きくなるに
つれてyは小さくなります。
a > 0 , 0 > m
xが0以上の整数で考えると、xが偶数、奇数で
x軸を境界にし、上下に跳ね飛び回るようになり
ます。ただし、mは-1ではないという条件が必要
ですが。
m = -1 では、上下に同じ距離だけ振動。
-1 > m では、振動の幅が大きくなります。
0 > m > -1 では、振動の幅が小さくなります。
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