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インド式計算公式解明

 一頃、インド式計算がブームになって、いろいろな
 計算ドリルの本が発売されていました。




 簡単に計算するための手順があり、それに従って
 練習問題を解いていくドリルになっていますが
 義務教育の算数、数学を理解できていればドリル
 の本を使うこともないのにと思いました。

 インド式計算公式を解明してみます。

 電卓を使わないで、概算を求めたい場合には
 インド式計算公式を適用しますが、算盤での
 計算の基本になっています。


インド式「5」の乗算/除算

 これは、次のような手順で計算するとなっています。 乗算 → 10をかけて2で割る 除算 → 2をかけて10で割る  「5」を10を利用した分数で表現すると「10/2」。  乗算では、そのまま使えば、「10をかけて2で割る」  除算は、乗算に置き換えて対応できます。  除算では、「5」を逆数にすると「2/10」なので  乗算に置き換えて「2をかけて10で割る」  分数に置換し、除算を乗算で計算することの意味を  理解すれば、公式とは呼べず、単なる便法の範疇に  なっています。

インド式「25」の乗算/除算

 これは、次のような手順で計算するとなっています。 乗算 → 100をかけて4で割る 除算 → 4をかけて100で割る  「25」を100を利用した分数で表現すると「100/4」。  「5」を乗算する、「5」で除算するという計算便法の  内容がわかっていれば、理解は簡単でしょう。

インド式「3」の乗算

 これは、次のような手順で計算するとなっています。 元の数を2倍して、さらに、元の数を加算  「3」は「2+1」と置き換えれば、元の数がxであれば  次のように計算できます。 3*x = (2+1)*x = 2*x + x  分配の法則を利用しているだけとわかります。

インド式「6」の乗算

 これは、次のような手順で計算するとなっています。 元の数を3倍して、さらに、2倍する  「6」は「3x2」と置き換えれば、元の数がxであれば  次のように計算できます。 6*x = 3*2*x = (3*x)*2  素因数に分解して、単純に乗算しているとわかります。

インド式「7」の乗算

 これは、次のような手順で計算するとなっています。 元の数を8倍して、元の数を引く  「7」は「8−1」と置き換えれば、元の数がxであれば  次のように計算できます。 7*x = (8-1)*x = 8*x - x  2のべき乗と減算に分解して、計算しているとわかります。

インド式「9」の乗算

 これは、2つの手順を紹介しています。 元の数を8倍して、さらに、元の数を加算 元の数を10倍して、さらに、元の数を減算  「9」は「8+1」あるいは「10−1」と置き換えれば  元の数をxとして、次の計算になります。 9*x = (8+1)*x = 8*x + x 9*x = (10-1)*x = 10*x - x  10倍は元の数の右に0をひとつ追加するだけなので  「10−1」を適用する方が簡単かも知れません。  これを発展させれば、物理で使う9.8倍は、次のような  計算方法を利用すればよいとわかります。 9.8*x = 98*x/10 = (100 - 2)*x /10 元の数を100倍し、さらに、2倍した値を減算。  それを10で除算。  100倍することは、元の数の右に0を2つ付けるだけ。  2倍は加算を2回で求められます。  1/10倍は、小数点の「comma」を左にひとつずらす  だけです。慣れると、頭の中で計算が終わります。 コンピュータを利用して計算させるとき、精度を維持  しながら、スピードを上げるために、2のべき乗の値  を使うことがあります。  インド式計算公式のような手順を適用して精度を維持し  速度を向上させることを狙っています。

インド式九九

 インドの学校では、日本の九九に相当する乗算値の  暗記は、2桁と2桁までになっているそう。  覚えるべき内容が多い情報化時代には、そぐわない  ような気がします。  次の公式を適用すれば、日本の九九で充分なはず。 x*y = (10a+b)*(10c+d) = 100*a*c + 10*a*d + 10*b*c + b*d = 100*(a*c) + 10*(a*d+b*c) + b*d = (a*c)*100 + (a*d+b*c)*10 + b*d = (a*c)*100 + b*d + (a*d+b*c)*10  2桁の自然数が2つあれば、3段階で数値を  計算して合算すれば、インド式九九は求めて  いけます。  手順は、以下。
  1. 10の位同士の積に0を2つ右に追加
  2. 1の位同士の積を計算
  3. たすき掛けで数値の積を求め加算し、0を1つ右に追加
  4. 1から3の数値を合算
 言葉では複雑ですが、紙に書き出してみると簡単。  14x16は、次のように計算できます。
  1. 1x1 -> 100
  2. 4x6 -> 24
  3. 1x6 + 4x1 = 10 -> 100
  4. 合算 -> 224

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