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数式の意味を理解しておこう
数学や物理では、数式を利用して現象を説明します。
数式で現象を説明するので、数式が表現している
内容を正しく理解することが大切です。
ですが、単位取得のみに目を向けて成績はよいが、数式
の意味をまったく理解していない学生が多かったです。
AO入試で学生を集めるのはよいですが、学生と直接顔を
あわせて、講義、実習する教員は大変だなあと心配です。
数式が表現している内容を5例挙げて説明します。
1+2+...+n=n(n+1)/2
この数式は、数列の公式として教科書に載っています。
1から10までの和は55ですが、公式を利用すると次の
ように簡単に計算できます。
1+2+...+10=10(10+1)/2=5*11=55
この数式は、小学校では組体操で使われます。
図で見れば、長方形の面積を求められれば導けます。
長方形の辺々の長さをN、Mとすれば、面積はNM。
その半分がNM/2で、求める数式になります。
Mを(N+1)にすると、N(N+1)/2で公式になります。
公式を利用すると、お供えに使われる最中の数を
段数がわかれば、即座に計算できます。下図では
3段あるので、3(3+1)/2=6と計算できます。
小学校の運動会にある組体操をやろうとしましょう。
5段で何人必要かは公式で即座に計算できます。
数学から物理に話を変えてみましょう。
最下段の中央にいる人間が、どれくらいの重量を
背負っているのかを求めてみます。
人間一人の体重を35kgで一律で計算します。
頂点から4段分の重量がかかります。
奇数段の重量は35kg、偶数段の重量は35kg/2
加算すると 35+35/2+35+35/2 = 35 x 3 = 105
単純な計算でも、最下段の中央にいる人間には
105kgの重量がかかります。
小学校の教員の方々は、大学卒業で教員試験を
通過しているのでしょうが、この程度の計算が
出来ないのでしょうか。事故の記事を見るたび
思います。
人間一人の体重を一律として大雑把に計算して
いますが、単純計算しても100kg近くの重量が
かかるとわかります。更に、段数を増やして
10段などというと、トンでもない重量と理解
できるでしょう。
自分が子供の保護者なら、こんな計算もできない
学校に義務教育とは言え、子供を通学させたくは
ないです。
どこぞの県の教育委員会のように、賄賂で教員
試験の結果を改竄させるところもありますが
賄賂の計算はできても、物理関係の計算はでき
ないのかも知れません。
y=a(x-f)^2
この数式は、放物線を表現する式と即座に答える
学生が殆どでした。
係数aが実数で0でないとき、放物線の式になります。
場合分けをしないと、その式が放物線を表現するのか
x軸そのものかを答えられないでしょう。
a>0のときは、下に凸の放物線になり、頂点座標は(f,0)。
a=0のときは、y=0でx軸そのもの。
a<0のときは、上に凸の放物線になり、頂点座標は(f,0)。
これらをまとめると、図では次のようになります。
実数の範囲で計算すると、放物線の式になるとき
係数aが正か負かで、取り得る範囲値が確定する
ことがわかります。
入学試験等で知っていると、精神的な余裕が生まれます。
Euler式
Euler式は、次のように単純。
図で表現して見れば、意味が理解できます。
複素平面にrという棹の長さを持ったベクトルが
あれば、余弦成分は実軸に投影され、正弦成分は
虚軸に投影される。
棹の長さが1であれば、Euler式になります。
実軸と棹の間に存在する角度が偏角A。
偏角Aは、棹の長さであるrと別の物理量になります。
複素平面にあるベクトルは、rという棹の長さになり
ますが、棹の長さはピタゴラスの定理で求められます。
微分と接線
2次関数y=(x-f)^2を、xに関して微分すると
導かれる関数(導関数)は、dy/dx=2(x-f)。
導関数値が0になるのは、x=fだけ。
放物線の場合は、頂点を表現する座標値。
頂点では、接線の傾きが0になっています。
関数のもつ次数を2から3、4、5と上げていくと
接線の傾きが0となる処が増えることがあります。
そこで、極値という概念を入れます。
極値は、区切った範囲における頂点の座標の一部を
示すことになるので、最大値、最小値という用語は
使わないで、概念を表現します。
接線の傾きが0となる処は、範囲を限定すると頂点や
最大値、最小値を表現します。それを極値という用語
で置き換えます。最大値、最小値は、範囲を拡大した
ときに、不適切な単語になるので、極値と言っている
だけ。
この理解ができると、極値は車で坂を移動した場合に
移動範囲を限定した最高点や最低点を表すことと等価。
極値と極のちがいを間違えないようにしておきます。
接線の傾きが0となる処がもつ値が極値。
極では、その地点での値が無限大か無限小です。
y=(x-a)/(x-p)という式があるときに、極を取る点はx=pです。
y=1/[(x-p)(x-q)]という式では、極を取る点はx=p、q。
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