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計算時間を減らす

 大学で講義、実習を担当したとき、学生に筆算で
 計算させると、ほぼ壊滅状態でした。

 計算は電卓でやるものと決めているようです。

 浮動小数点の計算なら、電卓でもよいでしょうが
 スマートフォンや携帯電話が手元にないときには
 どうするのか。

 そこで、計算時間を減らす工夫を伝授しました。


中学校で学習した公式を適用する

 筆算で計算するときは、公式を適用します。  14x16をどうやって計算するでしょうか。  中学校の教科書の最初に出てくる公式のどれかを適用します。  それでは、やってみましょう。  14x16 = 14x(14+2) = 14x14 + 14x2 = 196 + 28 = 224  14x16 = 16x14 = 16x(16-2) = 16x16 - 16x2 = 256 - 32 = 224 14x16 = (15-1)x(15+1) = 15x15 - 1x1 = 225 - 1 = 224  どれであっても、結果は同じになります。  この計算を板書したとき、「2乗値を覚えている  ならできるが、そうでないとできない。」という  学生がいました。  数学や計算が苦手な理由がわかった気がしました。  考える努力が足りないか、手を動かしていないかで  ちょっとした工夫が身についていないのです。大学  という枠組みの中で、このような学生は研究なんて  できないと納得です。  2乗値を求めるのも、中学校の教科書の最初の公式で  すぐに求められます。  公式を利用して、2乗値を求めてみます。  14x14 = (10+4)x(10+4) = 10x10 + 4x4 + 2x10x4 = 100 + 16 + 80 = 116 + 80 = 196  15x15 = (10+5)x(10+5) = 10x10 + 5x5 + 2x10x5 = 100 + 25 + 100 = 125 + 100 = 225  14x14 = (15-1)x(15-1) = 15x15 + 1x1 - 2x15x1 = 225 + 1 - 30 = 226 - 30 = 196  16x16 = (15+1)x(15+1) = 15x15 + 1x1 + 2x15x1 = 225 + 1 + 30 = 256  こんなところでしょうか。  2乗値の計算には、講談社のブルーバックスシリーズに  次のような内容があります。  1の2乗は、実際には10という重みがかけられていて  2乗すると必ず100の倍数になっていることを利用と  わかります。  種を明かせば、中学校で学習した公式に当てはめて  いるだけでした。  インド式計算術というドリル本がブームになったことが  あります。上に書いた内容と似たカラクリで計算を高速  にしているのがわかれば、楽しくなるでしょう。  学生の中には、こんなことを言い出す輩もいました。  「余った時間は、どう使うのですか。」  こういう学生は、他の学生から「いろいろとやれるだろう。」  と突っ込まれます。(^o^)  この学生は存在する。(気分は形而上)

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