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マイコン基板解析
マイコン基板上のマイコンの動作を解析してみます。
マイコンは、SyncMOSの刻印があったので、インターネットで
検索してみると、台湾メーカが製造しているi8051互換品です。
型番は、SM5964とあったので、これをキーワードにして
SyncMOSのホームページから、Productsを検索してPDF形式
のデータシートを入手できました。
i8051なのですが、Intelのオリジナルと比べて高速になり
内部拡張されていました。(i8051のデータシートは手持ち
のフィリップスの互換品を参照しました。)
基板に実装されている部品から、次の情報を読取りました。
- 44.22MHzのクリスタルで動作させている
- 外部SRAMを用意し、32kバイト程度の情報を格納できる
- マイクロスイッチを利用し、ユーザーからのトリガーを受付け
- ブザー鳴動の制御ケーブルを接続
- スキャナとは、6ピンケーブルで接続
- USBとのやり取りのエンドポイントに74HC374を利用
- USBのインタフェースは、12Mbpsのフルスピードとしている
スキャナ基板から、どうやって情報を貰っているのかを
知りたいので、次のような構成で、オシロスコープを使い
信号を解析しました。
6ピンのワイヤーのうち、2本は電源であることがわかって
いるので、4本の信号線を観測します。
導通チェッカーで接続を確認すると、次のように
なっています。
- Vcc
- LED control
- NC(no connection)
- Vout
- enable
- GND
マイコン基板とスキャナ基板を接続し
マイクロスイッチを引いてみると、次
のシーケンスで信号が変化しました。
- LED control : 'H'
- Vout scan
- LED control : 'L'
マイコン基板上のマイコンi8051相当品は
上記シーケンスで動いて、バーコードの
情報を入力しています。
LEDの点灯、消灯でバーコードに光を照射し
反射を2094ビットのデータストリームに変換
しています。このデータストリームをi8051が
読み取っています。
i8051のクロックが44MHzなのは、USBを扱う
ためと考えられます。44MHzの4分周で11MHz。
よく使われるUSBインタフェースチップは12MHz
のクロックを利用しているので、これに近い
クロックが出せます。
また、シリアルインタフェースを扱うときの
クロック生成が楽になるよう、44MHzに端数が
つく周波数を選択しているようです。
マイコン基板には、EEPROMも載せられている
ので、おそらく、バーコードのパターンを
JAN標準、UPC-A等と分けて格納していると
考えられます。
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