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スキャナ基板解析
スキャナ基板を解析します。
基板を上からみて、左から赤色LEDの光を出しています。
光学系が左にあり、CCDかCMOSのリニアイメージセンサが
含まれています。
他に、ブザー、2色LEDが実装されていますが、制御は
マイコン基板が担当しています。
リニアイメージセンサは、1次元センサになっています。
基板に実装されている22ピンで、横幅が約40mmの
リニアイメージセンサをインターネットで探してみると
東芝のTCD1304かTCD1501、SONYのILX551Aが候補になります。
これらのリニアイメージセンサは、CCDを利用しています。
各リニアイメージセンサのデータシートを入手して、導通
チェッカーでピンの接続をテストしてみましたが、はずれ
でした。
CCDリニアイメージセンサで、22ピンの製品を片っ端から
検索してピン照合した結果、東芝のTCD1205であることが
わかりました。
東芝セミコンダクター社ホームページのCCDリニアイメージセンサ
の解説に、ピンの機能が説明されていたので、ピンを導通チェッカー
でピンを調べ、確認しました。
CCDリニアイメージセンサのピンアサインは、次のようになっています。
このセンサのピンと下の写真にある黒いICが、基板上で抵抗を
はさんで、接続されています。
黒いICは、マイコンでEM78P156Eという型番が刻印されています。
EM78P156Eは、ELANTECH社の18ピンマイコンでした。
ピン配置は、MicroChip社のPIC16F84Aと同じでした。
EM78P156Eとリニアイメージセンサは、9ピンコネクタで
次のように接続されています。
- OD (Vcc)
- OS
- DOS (P62)
- SH (P64)
- RS (P63)
- CLKA(P60)
- CLKB(P61)
- SS (GND)
- BT (P65)
リニアイメージセンサを動かすためには、次のタイミング
チャートに沿った信号を与えなければなりません。
導通チェッカーで接続を探ると、次のように接続されています。
- P60 φ1(CLKA)
- P61 φ2(CLKB)
- P62 DOS
- P63 RS
- P64 SH
- P65 BT
BarCodeScannerから、データを取得するには、タイミング
チャートに相当する信号を、外部から与えてやるとよいと
理解できます。
デジタル回路かマイコンで、SH、φ1、φ2を与えて
データ出力を確認し、RSでデータ出力を終了すると
制御は可能です。
実際には、2048ビットのデータが出てくるので、アナログ
信号を扱う回路から、1ビットデータを取得しなければ
なりません。
アナログ信号処理は、OPアンプのTL062互換品を
2つ利用した回路になっています。
スキャン基板上には、上の回路図にあるOPアンプがあり
出力は、トランジスタに接続されて2値化されています。
U3は、CCDから出力される電圧から、オフセット分を差引き
2値化後、サンプル&ホールド回路で、情報を維持します。
U4では、トランジスタのベースに与える電圧を増幅し
トランジスタをドライブできるまでにします。
U3からの出力電圧は、U4の初段でヒステリシス
コンパレータを使い、論理値の区別ができる閾値
を設定します。
2値化する場合、P51にデジタル信号を出力して
比較電圧をOPアンプの非反転端子に与えます。
出力信号(OC)をそのまま、使うことができる
ように工夫されているように見えます。
イメージスキャナからバーコードに相当する2値化データ
を出力されていることを知るには、何らかの信号が必要に
なります。
入手したBarCodeScannerでは、マイコン基板が別にあり
マイコンへ、EM78P156EのP50からイネーブル信号が出て
います。
CCDリニアイメージセンサのタイミングチャートと
照合して、周波数カウンタで周期を確認すると21ms
くらいでした。
2048画素分の前後に32画素、14画素が付加されており
画素数の総和が2094であることから、20.94msと判断
できます。
EM78P156Eと外部マイコン基板は、6ピンコネクタで
次のように接続されています。
- Vcc
- LED_CON
- (no connection)
- Vout
- enable <-> P50
- GND
バーコードをリードするには、LEDを点灯して
イネーブル信号enableで、有効なデータか否か
を判定します。
enable信号のL→Hか、H→Lを判定し
5us毎のデータ入力でバーコードの
全データを取得します。
clockA、clockBで偶数、奇数のデータを
記憶する処理を作ると、2048画素を取得
できます。
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