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トランジスタアンプ設計
周波数カウンタがTTLかCMOS入力となって
いたので、トランジスタアンプを設計して
みました。
回路は、以下。
アンプの設計する場合は、トランジスタのコレクタの
電圧をVcc/2とするのが、相場として次のように設計
してみました。
- 電圧増幅率を3倍(94dB)とする
- エミッタ電流を1mAとすれば、エミッタ抵抗1kΩとしてベース電圧は1.6V
- エミッタ電流=コレクタ電流と近似し、コレクタ抵抗の電圧は3.3VでVcc/2を加えても飽和なし
- エミッタ電流の10倍をバイアス抵抗に流せばよいので、(12V/IB)=10mA
- IBは、12000mV/10mAより1200Ω
- バイアス抵抗を同じにすると、R1=R2=620Ω(これで合成抵抗は1240Ω)
- ベース電圧は、6Vでエミッタ抵抗とベースエミッタ間の電圧を合算は、1.6V以上で確実に動作
- 入出力の直流成分カットで10pFを使う
- 高周波での増幅を確実にするため、エミッタ抵抗と並列に大きなキャパシタをいれる
信号は交流ですが、バイアスは直流なので
直流電圧を与え、交流電圧が変化したとき
電源電圧との差の電圧が、VccとGNDを超え
ないことを確認しています。
増幅度を持たせないで、バッファとなるようにしてみます。
上の回路は、エミッタフォロワと呼ばれています。
エミッタフォロワは、、ベースに与えた電圧波形が
そのままエミッタに出てきます。
設計を簡単にするため、ベースのバイアス電圧を電源
電圧の半分にしていきます。
設計は、次のようにしました。
- 電圧増幅率を1倍(0dB)とする(電流の増幅は、あります)
- エミッタ電流を1mAとすると、Vcc/2になるように5.1kΩをエミッタ抵抗とします
- エミッタ電流の10倍をバイアス抵抗に流せばよいので、(12V/IB)=10mA
- IBは、12000mV/10mAより1200Ω
- バイアス抵抗を同じにすると、R1=R2=620Ω(これで合成抵抗は1240Ω)
- ベース電圧は、6Vでエミッタ抵抗とベースエミッタ間の電圧を合算は、5.7Vで確実に動作
エミッタフォロワでは、電圧増幅はありませんが
電流増幅はしています。
電流は電源から供給されるので、交流でみれば
出力インピーダンスが低いことに相当。
hFEの大きなスーパーベータトランジスタでは
次の回路定数を使っても、動作しました。
電流がどれくらい流れているのかを、試算してみます。
ベース電圧は、12V/2=6V。
ベースバイアス抵抗を流れる電流は、12V/2kΩ=6mA。
ベースバイアス抵抗の1/10が、ベースに流れるとすれば、0.6mA。
hFE=100として、コレクタ電流とエミッタ電流は、60mA。
エミッタ電圧は、6V-0.6V=5.4V。
エミッタ電流が60mA流れたとしても、エミッタ電圧は変わらない。
充分な直流のエミッタ電流が流れるので、ベースに注入した
交流電流は、エミッタ抵抗で電圧に変換されて出てきます。
エミッタ抵抗に並列に、キャパシタをつけると電荷の
充放電のために、波形が乱れることになります。
キャパシタの充放電があるので、次のエミッタフォロワ
回路は、使い方が不適切です。
キャパシタを入れると、電荷の充電と放電では
異なる現象が発生。
電荷の充電のときのイメージは、以下。
電荷の放電のときのイメージは、次のようになり
交通渋滞がおきてしまいます。
電荷の放電では、抵抗には2方向からの供給になるため
電流が2倍になったのと等価になり、抵抗に現れる電圧
は、2倍になります。
エミッタの電荷供給量とキャパシタからの電荷供給量が
加算されるので、電圧でみると信号の追従がゆっくりに
なります。
実用回路では、エミッタフォロワをバッファにし
バッファの次段に、増幅回路を配置します。
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