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奇数分周回路

 自分がデジタル回路を習い始めた頃は、TTLやCMOSの
 カウンタICを利用し、分周する回路を扱いました。

 最近は、マイコンやCPLD/FPGAの中に、分周回路を
 組込むので、TTLやCMOSのカウンタICを使い、希望
 の周波数を生成することは少なくなりました。

 市販のデジタル回路のテキストを見ても、TTLやCMOSの
 ICを利用した分周回路を解説していることが少なく
 現場で使える内容から離れていると感じています。

 後に続く技術者を育てるために、カウンタICを利用した
 分周回路の扱い方を残しておきます。自分の備忘録にも
 なるので。

 手持ちのCMOSカウンタに、4024があり、これを使っての
 奇数分周回路実験をやりました。



 複数のクロックを生成する基板から、元になるクロックを
 与えて、3分周、5分周してみます。
 元になるクロックは、218.4Hzです。



 3分周
  3分周は、0から3までカウントし、3のときに
  カウンタにリセットをかけます。



  周波数カウンタで、分周されているか確認します。



 5分周
  5分周は、0から5までカウントし、5のときに
  カウンタにリセットをかけます。



  周波数カウンタで、分周されているか確認します。



  5は、2進数で101なので、Q2の反転を利用しなければ
  と考えますが、Q3とQ1だけで充分です。

  0から順番にカウントしていくと、最初にQ3とQ1が
  ともに1になるのは、5の場合だけになるのでQ2の
  反転を使わなくても、確実にリセットできます。

 7分周
  7分周は、0から7までカウントし、7のときに
  カウンタにリセットをかけます。



  2進数で111なので、Q1からQ3をすべて利用し
  論理積の出力をリセットに接続します。

 9分周
  9分周は、0から9までカウントし、9のときに
  カウンタにリセットをかけます。



  Q1とQ4が、初めてともに1になるときを利用します。

 11分周
  11分周は、0から11までカウントし、11のときに
  カウンタにリセットをかけます。



  2進数で表現すると11は1011なので、1の個数が
  3個あるとしてリセットを考えます。

 13分周
  13分周は、0から13までカウントし、13のときに
  カウンタにリセットをかけます。



  2進数で表現すると13は1101なので、1の個数が
  3個あるとしてリセットを考えます。11とは利用
  するピンが異なるだけです。

 RCO(Ripple Carry Out)をもつカウンタICの中で、LOAD端子を
 持っている場合は、次のように接続して対応します。



 RCOは、2進数で1111のときに出力されるので、LOADで
 値をカウンタに設定し、その値から10進数で15になる
 までカウントして分周します。

 3分周したいときは、15−3=12をDIPスイッチを
 使って与えます。

 RCOは、ハザードを含むことがあるので、高速クロック
 で扱うときには、注意が必要です。

 次のようにすると、ハザードを回避できます。



 高速クロックに対応するには、74HC40102、74HC40103を
 利用することになります。

 74HC40102は、1から99の分周比を指定できます。



 74HC40103は、1から255の分周比を設定できます。



 4024を使った分周のテストは、次の回路を使えば簡単。



 基板に組み込むと、以下。




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