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OPアンプでつくる電子オルガン

 OPアンプがあれば、発振回路を構成できますから
 複数の発振回路を並べ、選択して発振出力を発音
 素子に接続すれば、楽器ができます。

 OPアンプの発振回路を利用して、楽器に仕立てると
 楽しいと考えました。

 手持ちのおもちゃの電子オルガンの鍵盤を見てみます。



 白鍵、黒鍵の並びでみると、以下。



 鍵盤は、生基板をエッチングして作成することに。
 イメージとしては、次のようになります。



 発音する回路は、最初は次の回路を参考にしました。




 抵抗値を切り替えると、発振周波数が変わることを
 利用すればよいと考えています。

 1オクターブの変更では、抵抗値を1/2倍にすると
 音(ピッチ)は、高くなります。抵抗値を同じにして
 同じ値の抵抗を並列接続すると、ピッチが2倍になる
 ことを利用した方が単純と考え直しました。




 音の微調整が必要になるので、固定値のキャパシタに
 並列にトリマーキャパシタを接続して対応します。

 最初の実験で利用するトリマーキャパシタは、AMラジオ
 で使われるバリコンで以下。



 周波数調整は、トリマーキャパシタでできますが
 オクターブ単位の周波数生成は、電源電圧が3V
 から12Vくらいまで使える、CMOSのカウンタを
 利用。




 音は、ABCDEFGに加えて半音追加のC#D#F#G#A#の
 合計12の周波数があれば、実現できます。

 Quadタイプを利用すると、1パッケージに4個のOPアンプ
 が含まれているので、3パッケージでよいことに。

 どの周波数を出力するのは、スイッチで選択すれば
 よいので、プッシュスイッチで伝達するか否か決定
 します。




 この方式の電子オルガンやシンセサイザイーは、初期の
 電気楽器、電子楽器で採用されていました。

 元になる周波数の調律さえ出来れば、分周で生成する
 周波数に関しては、調律が不要です。
 調律箇所が少ない便利な方式で、LSI化するのも簡単
 でした。

 多くのスイッチを利用すると、故障の原因をたくさん
 入れることになるので、実際はアサイナーと呼ぶ回路
 を入れて、同時発音は10音から12音に制限します。

 同時発音は10音に制限するのは、人間の指が10本という
 物理上の拘束条件があるから。

 通常アサイナーは、コンピュータを利用したマトリクス
 形式のスイッチ入力回路を使います。



 アサイナーで選択する、周波数リストは、以下。

440(A ) :  880 1760 3520  7040 14080 28160
466(A#) :  932 1864 3728  7456 14912 29824
493(B ) :  986 1972 3944  7888 15776 31552
523(C ) : 1046 2092 4184  8368 16736 33472
554(C#) : 1108 2216 4432  8864 17728 35456
587(D ) : 1174 2348 4696  9392 18784 37568
622(D#) : 1244 2488 4976  9952 19904 39808
659(E ) : 1318 2636 5272 10544 21088 42176
698(F ) : 1396 2792 5584 11168 22336 44672
739(F#) : 1478 2956 5912 11824 23648 47296
783(G ) : 1566 3132 6264 12528 25056 50112
830(G#) : 1660 3320 6640 13280 26560 53120

 12個のスイッチを利用して、周波数を選択し
 オクターブは、ロータリースイッチを使ての
 切り替えとしておけばよいと考えました。

 ブロック図では、以下。



 13個の発振器とカウンタを用意して、スイッチ
 による選択だけで、電子オルガンを実現となり
 ます。

 同じブロックを並べて、発振器の周波数だけを
 調整するようにしておけばよいので、物量作戦
 で対応。

 電子オルガンを作る前に、アナウンスチャイムを
 作ります。

 アナウンスチャイムは、百貨店、ホームセンタ等で
 注意喚起のために使われる「ピンポンパポーン」と
 いう音階。

 この音階は、「ド、ミ、ソ、ド」となっています。
 「ド」は、上と下で1オクターブ離れているので
 ブロック図では、次のように音源を並べれば完成。



 アサイナーは、スイッチ、AND回路、OR回路を
 組み合わせて作ればよいでしょう。
 回路は、以下。



 発振回路は、次のように可変抵抗で周波数を
 調整できるようにしておきます。



 可変抵抗器を使うと、メリットがあります。

 可変抵抗器の値を調整すると、1オクターブの
 中にある周波数を設定できるため、同一の回路
 定数で、異なる周波数にできます。

 楽器には調律が必要ですが、可変抵抗器で
 調律しているのと等価になります。

 基本となる高い周波数を、可変抵抗器で設定後に
 カウンタで、整数で分周した周波数を生成します。


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