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発振回路
パワーエレクトロニクスでは、発振回路を多用します。
発振周波数を可変、固定にする回路は、星の数ほど
ありますが、手軽に利用できる回路を眺めてみます。
矩形波発振回路
OPアンプによる矩形波発振回路は、以下です。
回路図に入れた数値では、376Hz前後で発振します。
キャパシタを2.2uFに変更すると、28Hz前後の発振周波数
になります。
この発振回路で、周波数を可変にするには、帰還部分に
ある抵抗、キャパシタのいずれかを、可変にします。
また、分圧の抵抗のどちらかを可変にします。
OPアンプを利用すると、電源電圧を3V〜18Vにでき
周波数の安定は、抵抗、キャパシタの安定度によるので
金属皮膜抵抗、温度補償されたキャパシタを利用します。
OPアンプによる矩形波発振回路を、発振回路だけに
限定したIC555を利用する方法もあります。
この発振回路で、周波数を可変にするには、抵抗器の
R1、R2のどちらかを、可変にします。
また、キャパシタを可変にしても、周波数変更が
できます。
抵抗、キャパシタを利用する矩形波発振回路の実現には
デジタルICを利用する場合もあります。
この回路では、スイッチを押すと、発振回路が動く仕様
にしています。正帰還をかけるか、かけないかの制御に
なっています。
この他に、1チップマイクロコンピュータ内蔵のタイマー
カウンタを利用し、矩形波を出力させる方式もあります。
デジタルICを大量に含んだ、CPLD/FPGAで矩形波を出力
することも可能です。
正弦波発振回路
パワーエレクトロニクスで使う正弦波発振回路は
周波数を可変させるため、DDSを利用します。
DDS(Digital Direct synthesis)は、波形ROMとカウンタで
デジタル回路でアナログ波形を出力する回路方式です。
カウンタとROMで、カウンタの加算値を可変に
すると、出力波形の周波数を可変にします。
カウンタに与えるクロック周波数は固定です。
カウンタとROMは、ワンチップマイコンの中に
収納できるのと、周波数をワンチップに与える
情報で簡単に変更できるので、最近はDDS利用
が主流です。
また、D/Aコンバータを内蔵しているワンチップ
マイコンを使うと、波形ROMが不要になります。
DDS回路をFPGAの中に入れて利用することも
チップが安く入手できるようになったこと
から、採用されることも多くなりました。
FPGAの中に、簡易プロセッサを入れると
複雑な制御もプロセッサのソフトウエア
に置換されるので、最近主流の開発手法
になっています。
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