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いざ、出陣(やはり駄目)

 大会までのドタバタを日誌風に、大会会場でのエピソードと反省
 次へのチャレンジに向けてを、備忘録として記しておきます。


2月3日午前  最終調整のため、物置の2Fで走らせると途中で停止します。  ?と思って、電源を入れ直してみると、動きます。  何が起こっているのか不明。  こういうときは、ファームウエアを変えるのではなくハードを  じっくり眺めてみることが必要です。  同じ現象が発生することを考え、モータのドライブ回路に  PWM波形が来ているかを、判断できるようにLEDを入れ  ました。  PWM波形は、AVRマイコンからフォトカプラを介して  パワートランジスタのベースに行きます。ベースにLED  をつけると、PWM波が来ていれば、LEDが光ります。  テスト、デバッグのモードで、PWM波をモータドライブ回路  に送りこむと、LEDが光りません。  LEDが光らない原因をリストです。  ひとつ、ひとつチェックしていきます。  LEDの配線が、はずれている   電池とみの虫クリップを使い、電流制限抵抗とLEDのカソード   に電圧を与えると光ります。従って、LEDの配線はOK!  ベース電流を与えるフォトカプラが動いていない   フォトカプラの入力に、電池とみの虫クリップを使って、制御電圧   を与えます。フォトカプラの出力で、電源と電流制限抵抗の接続を   確認できたので、フォトカプラは正常です。  モータのドライブ回路に電源が供給されていない   ラジコンベースの電池フォルダから、電源が供給されているかを   マルチメータの電圧測定で確認します。   電源が来ていません。これが原因でした。  ここで、昼になったので、一時中断です。
2月3日午後  モータのドライブ回路に電源が供給されないなら  電源ケーブルが内部断線しているかを、チェック。  OKです。  電池切れしているのかとマルチメータで、個々の電池の  電圧を測定してみると、1.2V以上あります。  (2次電池なので、1.2V以上あれば満充電)  4本をフォルダーに入れて、全体で電圧を測定すると  0Vです。これで、突然停止する理由がわかりました。  ラジコンの電池フォルダーが、走行中の振動で電池の位置  をずらしてしまい、接触できない場所があるのです。  すぐに対策をすべきなのですが、2011年のJR北海道のヘタレ  状態を考えて、2月3日は新千歳空港近くのビジネスホテルに  宿泊予約をしています。  移動しなければならないので、一時中断です。
2月3日夜  JR小樽駅から千歳駅まで移動し、今夜の宿である  ビジネスホテルホーリンまで、荷物を引いて徒歩移動。  鍵をあけて、部屋にはいったのが午後8時30分。  これから、メールを処理し、仕事の資料を作成して  いたら、午後11時30分。  少し動かしてみるとか、マシンのスイッチを入れて  床を移動させてみると、スルスルと動きます。  何度かやっているうちに、また動かなくなります。  電源のスイッチはONのままです。それなのに動かしていると  振動で、電池と電池の接続ができなくなっています。  接触不良は、電池フォルダの金属部分板が振動でズレて  隙間がでるのが原因でした。  ホテルなので、工具をもっていません。  ノートにどう修繕するかのアイデアを記して、4日に  知人の事務所で対策することに。  軽くシャワーを浴びて、Zzzzz...。
2月4日午前  午前4:40に目が覚める。  神経が高ぶって眠れないので、このまま仕事をすることに。  ノートPCで、VHDLのコードを作成して、説明を入れて  自分のホームページを更新。  ついでに、大学の先生にメールを入れて、展示発表会の  要領を確認。  午前6時、一仕事終えて、カップ麺で朝食を終え  洗面、荷造りして、NHKのNEWSを見る。  午前7時50分、ロビーに下りて、無料送迎バスで  新千歳空港へ。(バスは、8時出発)  午前8時17分、新千歳空港エントランス到着。  ANAの機械で、航空券を受取り、手荷物を預ける。  この手荷物には、分解されたマシンが入っています。  午前8時30分には、搭乗検査場を抜け、待合ロビーの  椅子に腰を下ろしてしまう。  手帳に書きつけた行動予定を見て、お土産を購入して  キャリングバッグの中に入れる。  午前9時になったので、自宅とMCR-VCの発案者である  Mさんに電話を入れておく。  午前10時15分まで、時間があるので、ノートPCを  開いて仕事。JavaでGUIの通信アプリケーションソフトを  1本書き上げる。ノートPCのバッテリー残量が少なく  なったので、紙とボールペンでできる仕事に切替える。  ANAのいつもの飛行機Boeing767に搭乗し、紙とボールペンを  出して、仕事。  AVRマイコンのファームウエアをBASCOMで記述。周波数カウンタ  にATtiny2313を利用し、プリスケーラには74AC161を使い、表示  にはLCD。分周の計算と、補正処理を筆算でやって検算。これで  間違いないというところまで、机上デバッグ。  途中、トイレにいくため座席を離れた以外は、ほとんど仕事。  国際線に乗っているときは、ゲームをしているのに、国内線  では、距離が短いので、仕事になってしまう。
2月4日午後  午後0:15関西空港に着陸。  海外に行くときにも利用しているので、成田よりも勝手がわかる関西空港。  これに続く勝手のわかる国際空港は、シンガポールのチャンギか。  手荷物受取のターンテーブルで、どこぞで見覚えのある大男達。  旧レラカムイ北海道の選手達でした。大阪府立体育会館ででも  試合なんでしょう。  札幌にいるKさんに電話を入れて、大阪に着いたと連絡。  Kさんは夜の飛行機で大阪入りの予定。  手荷物を受取り、南海電鉄の自販機へ行き、COMPASSカード購入。  関西だと「スルッとKANSAI」で、どの私鉄でも1枚のカードで  済むので、便利。  11:54発車の普通電車で、「泉佐野」に移動。  区間急行に乗り換えて、「なんば」へ。  NHK_TVの昼の番組で、「泉佐野」がキャベツの産地であると  放映されていたので、沿線を見ていると、たくさんのキャベツ  畑が見えます。さすが、お好み焼きにキャベツを使う地だけの  ことはあります。  「なんば」で、地下鉄御堂筋線に乗り換えて「西中島南方」へ。  地下鉄駅(高架駅なのに、地下鉄駅とは、これ如何に!)から  Mさんの事務所に歩いて3分。  Mさんに、お土産のお菓子と電子回路部品を渡して、昼食のため  近くの食堂に。食堂の人は、去年も来たねと覚えていてくれました。  味付けが、自分好みなので、瞬く間に平らげました。  Mさんの事務所に戻り、マシンを組み立てて、スイッチON。  やはり動かず。電池ボックスに振動で、隙間ができる不具合  の対策をします。小1時間ほどで、対策完了。  2mm程度のアクリルのシートを切って、隙間ができないように  詰め物をして対策完了。  一休み中のメールチェック。  札幌のTさんと京都のIさんからメールあり。  返信後、MさんのMCR-VCマシンファームウエアをデバッグ手伝い。  Mさんの事務所にあるコースで、走行させると途中で停止。  原因は2つ。リアルタイムOSを利用しているので、カメラの  画像処理を担当するタスクが処理を始めると、他のタスクが  動けない状態になるのが、停止原因のひとつ。  もうひとつは、ハレーション発生で、EmargencyStopをして  いること。  Mさんに淹れてもらったコーヒーを飲みながら、ファームウエア  の構成を考え直します。  カメラで撮影した画像を処理するため、タイマー割込みを利用  して、タスクを切替えて動く間にも、センサーデータを生成する  ようにファームウエアを変更。  これで、解決するかを持参したノートPC上でシミュレーション  して確認。つぎは、ハレーション対策です。  ハレーションは、128ラインできるセンサーデータのうち、離れて  いる2ラインの情報を使って対策。  ここまで考えて、午後5時30分。ホテルのチェックインが6時  なので、新大阪駅まで行くことに。  小樽の坂で鍛えてあるので、平坦な道を移動すると、大阪人より  移動するのが速いことが判明。
2月4日夜  宿泊ホテルは、VIA IN SHINOSKAで、JR新大阪駅からすぐ。  チェックインして、荷物を置いて、またまたMさんの事務所へ。  途中、飲食物を仕入れて、小1時間の散歩で、ファームウエアの  修正に復帰。Mさんは、風邪を引いて体調が悪そう。  ファームウエアの修正、実走行をしているうちに、午後9時。  Kさんは無事に着いたかと話していると、9:20にKさん  事務所に到着。  少し雑談して、MさんとKさんは、軽く飲みにでるというので  自分は、ホテルで休むことに。  西中島南方から新大阪のホテルまで、歩きながら、就寝までの  スケジュールを考えて、以下の行動予定を立てました。
  1. 明日の行動予定書出し
  2. インターネット環境整備
  3. メールチェックと返信
  4. ファームウエアのテスト、デバッグ
  5. 入浴
 ホテルの部屋に入り、すべてのことをやって、ベッドに  入ったのが、午前0時30分でした。
2月5日午前  午前5時30分を少し過ぎた頃、目が覚めました。  朝食は7時からなので、メールチェックをして少しファームウエア  を眺めて、冗長な部分を修正。  洗面して、お茶を飲んでいると、午前7時。  朝食がある部屋に行き、しっかりと食べます。  おにぎり3個、味噌汁、サラダで和食は終わり。  4種類のパン、バナナ、コーヒーで洋食は終わり。  最後にオレンジジュースを飲んで、朝食終了。  海外のホテルで朝食をとると、もう少し食べるのですが  これ以上入らなかったですね。  簡単に、部屋を掃除して8時17分には、Mさんの  事務所に向かって歩き出しました。  15分で、Mさんの事務所に到着し、デバッグしておいたファームウエアを  入れて、マシンの動作テストです。思った通りに動くので、分解してアルミ  ケースに収納。これで、だいたい9時10分くらいでした。  Mさんのファームウエアが思わしくないというので  猫の手を貸します。  2つのバグを2時間くらいで潰して、残りは大会会場にて  調整することにして、出発です。  西中島南方→淀屋橋(地下鉄御堂筋線)、淀屋橋→寝屋川  (京阪電車)で1年ぶりに、大会会場の大阪電気通信大学の  実験棟5Fへ。  自由工房の室長である高木先生に挨拶をし、お土産を  渡して、控え室で調整に入ります。
2月5日午後  MCR-VCの昨年の覇者である登先生、中井先生、自由工房OB  の林君の顔を見たので、30分ほど技術情報を交換しました。  コース上で場所により、ハレーションが大きく変化するとの  こと。これを如何にスキップするのかが鍵だとか。  廊下に用意された周回コースを利用し、走行テストすると  黒面でもハレーションが起きいて、曲がる処ではないのに  曲がる現象が発生します。  また、湿度が高くなっているのか、Mさんの事務所で  動かしたときよりも、タイヤが粘る感じがします。  「腹が減っては戦いは出来ぬ!」と、大学の学生食堂に  昼食を取りに。  さすがに学生食堂です。定食の類を選んでも、ワンコイン  まで届かずに食べられました。  実際のコースで、どのようなハレーションがあるのか  をカメラで撮影してみました。  スタートから、少し走ると、次の写真のように面積の  大きいハレーションが存在しています。  GameBoyCameraを利用すると、こんなハレーションを  検出してしまいます。1次元の画像処理センサーには  バーコードスキャナもあります。  今なら、秋月電子で¥4800で入手できます。  このバーコードスキャナを利用した画像処理ボードは  Kさんが2010年から試作しています。  会場で、このバーコードスキャナを使うための  ハードウエア改修は不可能なので、ハレーション  が発生していたら、それをスキップするように  ファームウエアを修正しました。  ハレーション位置をカメラ画像からわかるように  128ライン中の他の情報を利用して、算定しました。  ハレーションが発生しているか、クランク、レーン  チェンジの目印か、0〜10ライン目にあるセンサー  データから推定します。  0〜10ライン目に、すべて黒のラインがあって  11ライン目以降に、ハレーションがあれば、それは  クランク、レーンチェンジの目印とします。  この方法で走行させてみると、1回目はハレーション  をクランクの目印と判定しました。  そこで、シャーシを少し、左か右に振って走行して  どんなセンサーデータになるかを取得して比較する  方法を取りました。  2回目の走行で、右にハレーションが出ている処を  検出し、少し左に振ってやるところまで行きました。  振りすぎて、センターに戻せずコースアウトしました。  カメラの位置が高すぎたので、下げて動かすように  したため、比較パターンの数が不足して、振り過ぎ  が発生しました。  これで、2011年の走行は終わりました。  2012年は、ハレーションが発生しても、走行できる  マシンを持ってくればよいと納得したら、疲れが  一度に出てきました。  自分の走行が終わってから、京都のIさんに、持ってきた  USBのAVRライターとテストボードを渡しました。  Iさんの元同僚の方が親子でやってきたり、学生や高校生から  質問を受けたりで、非常に楽しい時間を過ごしたのも事実です。
2月5日夜  大会が終わり、表彰式の賞状を書き終わるまでの  時間に、バーコードスキャナによるセンシングを  説明してほしいと依頼されたので、Kさんの代役  で、内容を説明しました。  話した内容は、以下です。  Kさんの回路は、デジタルICを複数利用していましたが  控え室で、大まかに設計すると、ATtiny2313と74HC540の  2個でいけそうだと判断しました。  表彰式が終わり、懇親会になると、自由工房のMCR班の学生  から自分達のマシンを評価してほしいと依頼されました。  詳しい内容は、自由工房のホームページで公開されています。  一般部門の上位入賞者であるTさんとともに、マシンの評価  をしていると、食べる時間がなくなってしまいましたが、  JICA研修で、これでもかと質問してくる外国人を思い出して  心の中で笑っていました。  懇親会を閉めてから、高木先生を含めて、7名ほどで  お茶に行きました。  自由工房のメンバーである学生の父親の方やOBの方々と  いろいろと話をさせてもらいました。4月からの大学で  非常勤講師をすることになっているので、非常に参考に  なりました。  昨年、学生の発表に対して、自分がした質問の仕方も話題に  なりました。  「外部の人に、コテンパンにやられて」学生の奮起が加速した  とか。自分としては、軽くジャブを入れた程度で、どうでるか  を見たかったのですが、いい方向に働いたようです。  2時間くらい、楽しい話をして、寝屋川から新大阪に  もどりました。  Kさんとこの15年間に言っている口癖  「やっと正月だ!」と呟いて、ホテルの  部屋に入りました。  ※新しいマシンの設計を含めた内容は、2011年3月から   公開していきます。
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