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PLC(Programable Logic Controller)との出会い

 自律移動ロボット作成を趣味としています。  ロボット機体作成の参考図書に、PLCという単語がありました。  調べてみると、リレーで構成するラダー図(制御回路)の内容  を、マイコンで実現していることまで理解できました。  リレーという有接点の短所を、無接点動作に変換し、マイコンの  メモリの中でラダー図(制御回路)動作をエミュレートする装置  が、PLC(Programable Logic Controller)とわかりました。  PLCは、シーケンサと呼ばれることもあると知った時、購入しよう  と値段を問い合わせました。  すると性能の低いPLCでも、¥5000以上します。  動作が単純で、速度はマイコンより遥かに遅いのに、¥5000は  高いと思いました。シーケンサに、ラダー図の内容を転送するため  のプログラマーが必要で、これが¥20,000ほど。そうなると  趣味でPLCを使う計画は、断念することになります。  性能とメモリ容量を気にしなければ、ワンチップマイコンを¥500  で買える時代に、PLCを購入して使うこともないでしょう。  天邪鬼な自分は、「メーカー品が駄目なら、作ってしまえ。」  と考えました。  3冊書籍を購入して、1カ月ほどPLCの研究をし、ゼロスクラッチで  全システムを1週間で組上げました。  ここでは、そのプロセスを紹介します。

PLCでのトラブル

 PLCを利用した装置で遭遇したトラブルの内容を紹介します。  似たことに遭遇した場合の参考にしてください。 -------------------------------------------------------------  出社すると、納品した音声案内装置が動かないと、電話で  一報が入りました。この装置は、PLCの出力を利用して音声  案内を流します。  朝9:30に一報を受け、予備で用意してあった装置を持参  して現場に急行します。到着したのが10:10でした。  PLC側の担当者から、音声案内装置のトリガー信号とACサーボ  モータの回転指令を与える出力を同じにしていることを聞き、  さらに前日にモータが瞬停で誤動作したと報告を受けました。  音声案内装置を開けてみると、トリガー信号を受ける回路が  黒焦げになっています。破壊原因は、ラッシュカレントがAC  サーボモータから流れたとしました。  同じことが発生した場合、また装置を壊すことになるので  トリガー信号出力とACサーボモータの回転指令は別の出力  に割当てるように、PLCのラダー図を変更してもらいます。  これで大丈夫だろうと、予備の装置を接続しても音声案内が  流れません。予備装置に単体でトリガー信号を与えて、動作  することをPLC側の担当者にも確認して貰い、PLCのトラブル  だろうと予測しました。  ここまでの所要時間は40分ほどで、午後には完動しないと  ならないので、PLC側の担当者の顔色が変わっていきます。  時計の針は10:50を指しています。  壊れた装置の修理時間を確保したいので、PLC側の担当者に  手を貸すことにしました。PLCの動作をシミュレーションする  アプリケーションソフトがあるというので、動作のおかしい  PLCを外して担当者の事務所に行くことにしました。  修正ラダー図で正しく動くかを確認してみることにしました。  10分で現場から事務所に移動し、修正ラダー図を使い  1ステップずつ入力と出力を確認してみます。問題なく  動作しています。シミュレーションでOKならば、PLC自体  の出力に問題があるはずと当たりをつけました。  1ステップずつ入力と出力を確認し、マルチメータで出力電圧  を測定してみます。音声案内装置への出力が、シミュレータで  3V以上出力しているのに、マルチメータは0Vです。  これで、PLC出力もACサーボモータのラッシュカレントで破壊  されていたと判断し、正常な出力にラダー図を修正し動作を  確認しました。事務所に到着してから、20分経過していた  ので、現場に戻ります。  (この時点で、時計の針は11:20になっています。)  修正ラダー図を格納したPLCを持って現場に戻り、全体システム  の設定を終えると、11:40でした。  システムの電源を入れ、センサーに反応した音声案内が流れ  ACサーボモータでUFOキャッチャーに似たメカが動きます。  正常動作確認ができたのが、11:55。ギリギリ間に合い  一息入れるため、無糖の缶コーヒーをおいしく飲みました。  1日時間を空けて、所属していたFA関係フォーラムでPLCが  壊れる確率はどの程度か質問してみました。皆無ではないと  回答があったので、PLC側の担当者には、PLC出力にフォト  カプラを入れておくよう依頼しました。  壊れた音声案内装置は、トリガー信号入力回路だけでなく  マイコンも死んでいました。ボードごと交換し、トリガー  信号入力に抵抗をつけ、更にフォトカプラで絶縁して修繕  しました。 -------------------------------------------------------------  これ以後、電気回路と電子回路をしっかり分けて設計する  ようになりました。
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