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無安定マルチバイブレータ動作解析

 無安定マルチバイブレータの動作を、詳細に解析します。

 無安定マルチバイブレータの回路は、以下。



 内部等価回路を入れてみます。



 内部回路は、次の3ブロックで構成されています。

 フリップフロップは、SetとRstの2入力で、出力OUTに
 電圧レベルの'H'か'L'を出力します。

 このフリップフロップは、RSラッチと呼ばれ
 次のタイミングチャートに従って動作。




 SetとRstの信号を生成するのは、コンパレータで
 抵抗とキャパシタで構成した充放電回路で時間差
 をつくっています。

 コンパレータの等価回路は、以下。




 内部では、コンパレータの比較電圧は、1/3Vcc、2/3Vccと
 2通りあり、1/3VccはTRIGとの比較、2/3VccはTHRESとの
 比較になっています。

 TRIGとTHRESを接続しているので、キャパシタの電圧で
 RstとSetの信号を'H'にするか'L'にするのかを決めて
 いると理解できるはず。

 キャパシタの電圧は、電荷の充放電で決められるので
 充電は、抵抗RA、RBの直列抵抗で電源電圧Vccからの
 電荷供給になります。
 放電は、DISCHに内部で接続されているトランジスタが
 スイッチとして働いてます。

 放電トランジスタは、RSラッチの'H'出力で、コレクタ
 とGNDを接続して、キャパシタから電荷を抜き出します。
 この電荷の抜き出しで、出力がRst信号を生成。

 充電のとき、時定数は(RA+RB)Cに比例し
 放電のとき、時定数はRBCに比例。

 この不平衡の時定数のため、THRESとDISCHの電圧変化は
 次のようになると理解できます。



 このタイミングチャートは、TI社のデータシートに
 掲載されています。

 DISCHを'L'にすると、内部にあるRSラッチをセットし
 ディスチャージトランジスタのベースに制御信号'H'
 を与えています。

 ディスチャージトランジスタのベースに制御信号'H'を
 与えますが、RBとCの積分回路で時間差を作ってます。

 RSフリップフロップは、SetとRstに時間差を用意して
 出力を'H'と'L'で切替えます。
 時間差は抵抗とキャパシタによる積分回路で生成。

 ここまで理解できれば、抵抗とキャパシタのどちらかを
 可変にすると周波数を可変にできると合点がいきます。


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