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HD64180RP

 東芝のZ80CPUコアのマイコンの代表がZ84C015なら
 日立製作所のそれは、HD64180でした。

 東芝も日立も、すでにZ84C015、HD64180の製造、販売をしていません。
 Z80の本家本元のZilogでは、2014年現在でも、この2種のマイコンを
 製造販売しています。

 Zilog社はUSAの企業ですが、ここにUSAの技術立国としての底力を
 見る思いがします。USAの企業では、日本のような表面実装チップ
 だけでなく、DIPタイプのICも供給するのが前提になっている
 ようです。

 DIYの国ですから、DIPタイプのICを使った半田付けをして
 必要なシステムを組上げるホビーストも多いです。

 体の大きなホビーストですから、ノートタイプPCでは日本の
 ようなB5サイズではなく、A4サイズ以上を利用します。
 B5サイズだと、キーボードのキーに指をのせると、2キーを
 同時に叩くので大問題です。

 半田付けも同じで、表面実装チップのICをユニバーサル基板に
 つけるのは、至難の業です。そのため、USAの企業が製造販売
 するICは、DIPタイプが用意されることが多くなります。

 手元には、HD64180のRPタイプがあります。

 実装メモリは1Mバイトまで拡張し、バンク方式の採用で
 1Mバイトメモリを64kバイトにマッピングして使えます。



 ROMエミュレータを実現するために入手しました。

 1Mバイトのメモリを実装できるので、バンク方式
 により、実装メモリのアドレスを変えて、リード
 ライトできることから、外部マイコンプログラム
 をRAMの中に入れて、テスト、デバッグできます。

 メモリマップは、次のようになっています。



 バンクエリアは、4kバイトごとに容量を増やすことが
 可能で、実装メモリの実アドレスにマッピングできます。

 バンク方式は、MSXで採用されたスロット方式と
 8086で採用されたセグメント方式の中間のような
 扱い方ができました。

 Z84C015がZ80ファミリのPIO、SIO、CTCをそのままチップの
 中に入れたのに対し、HD64180はタイマー、シリアル、パラ
 レルすべてが、独自設計のモジュールとなっています。

 シリアルモジュールは、H8/532、H8/3048Fにほぼそのまま
 採用されていきました。

 Z80のI/Oアクセスではリード、ライトともに、メモリの
 場合のアクセスに1個ウェイトサイクルを入れてあります。

 HD64180では、メモリとI/Oのリード、ライトにプログラム
 でウェイトと入れることが可能です。0、1、2、3まで
 のウェイト数を可変にできます。

 I/Oアクセスではウェイトを0にすると、外部情報を
 入出力するのが、高速になります。

 Z80SIOプログラミングは、複雑さの部類では最高級と
 言われますが、H8のシリアルインタフェースレジスタ
 設定と似ているので、非常に単純です。

 ROMエミュレータを実現するには、バンクエリアを
 利用します。バンクエリアは、実メモリアドレス
 をMMU(Memory Management Unit)を使い変更します。

 MMUを使い、バンクエリアで扱う論理アドレスは同じ
 にしたまま、物理アドレス(実アドレス)を変更する
 と、指定したSRAMをZ80の管理するメモリアドレスから
 切り離すことができます。

 SRAMは32kバイトを基本とすると、1Mバイトを32分割
 できます。512Mバイトであれば16分割になります。
 32kバイトは、Z80のメモリ空間64kバイトの半分に
 相当します。

 MMU(Memory Management Unit)と呼ばれますが、68000シリーズで
 使われているような高級(複雑)なタイプではなく、バンク切替
 のハードウエアを内蔵していると考えた方がよいでしょう。

(under construction)

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