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トランジスタ基本動作(スイッチング)

 3本足の魔術師であるトランジスタの基本動作を
 見ていきます。

 トランジスタは、次の2機能を持ちます。

  • スイッチング
  • 増幅  スイッチングは、リレーと同じことができます。  リレーは、接点の寿命がありますが、トランジスタには  ありません。また、リレーよりも高速で動けます。更に  リレーよりも小さい電流で動きます。  このページでは、トランジスタをスイッチングを  扱う素子として使ってみます。  スイッチング素子としてのトランジスタは、リレーの  基本動作と比較してみると、使い方がわかります。  回路図面でピンを比較してみると、以下。  リレーでは、コイルに電流を流して、接点を開閉しました。  トランジスタは、ベースからエミッタに電流を流すと  コレクタからエミッターに向かって、電流が流れます。  ベースからエミッタに電流を流すのが、リレーのコイルに  電流を流すことと同じと見てよいですね。  トランジスタでは、ベースからエミッタに電流を流すとき  ベース電圧をエミッタ電圧よりも、0.6V以上高くして  やらないといけません。  これを「バイアス電圧を与える」と表現しますが  スイッチングでも増幅でも、この約束を守らない  と、コレクタからエミッタに電流は流れないので  注意が必要。  トランジスタのコレクタに、LEDを接続して、ベースから  エミッタに電流を流してみます。  ベースに抵抗をつけて、エミッタよりも0.6V高い  電圧を与えて、電流を流します。  回路図では、以下。  LEDの電流制限抵抗を470Ω、トランジスタのベースに  接続する抵抗を1kΩとして接続は、以下。
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     実際の配線は、次のようになります。  プッシュスイッチを押すと、赤LEDが点きます。  LEDが点くので、トランジスタのコレクタから  エミッタには、1mAから10mAの範囲で電流が  流れています。  LEDが点くときには、コレクタとエミッタの間の  電圧は、0.2Vくらいになっています。  リレーであれば、端子と端子の間に電圧は発生  しません。  半導体であるトランジスタの場合、飽和電圧と呼ぶ  電圧が出てきます。  今回は、この電圧が発生したとしても、コレクタには  直流の6Vがかけられているので、問題になりません。  飽和電圧が問題になるときもあります。  LEDを2本にして、次のようにしたなら、どうなるかを  実験してみます。  LEDを直列に接続するので、赤LEDのアノードを緑LEDの  カソードに接続します。
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     実際の配線は、次のようになります。  プッシュスイッチを押すと、2つのLEDが点きます。  スイッチを押すと電流が流れ、スイッチを押さないと  電流が止まるので、スイッチングは整流と同じと考え  てもよいかも知れません。  用語(使う言葉)で惑わされることもあるので、現象と  して何が起きているのかを理解していくことが重要だと  思います。  電子倶楽部で使っているトランジスタは、小信号用で  コレクタからエミッタに流せる電流は、最大で100mA  程度です。  実際には、余裕をみて最大電流の1/3程度になる  ようにして使います。

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