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ACモータ制御回路エミュレータ

 ACモータは、3相誘導電動機とも呼ばれます。
 コンプレッサ、エアコン等では、頻繁に目にします。

 3相誘導電動機は、インバータで回転させますが
 6チャネル(U+U-V+V-W+W-)の制御信号を使った
 周波数制御で回転速度を可変できます。

 3相誘導電動機を動かすためには、次のブロック図を
 見て、始動処理、速度制御を考えます。



 3相誘導電動機の回転数は、次式で求められます。

  N = (120 x f) / P

   N:回転数 f:周波数(Hz) P:極数

 6個のトランジスタあるいはFETに電流を流すか止めるか
 の制御信号を送ってやれば、3相誘導電動機は回ります。

 制御信号の与え方は、次の2通り。

  180度導通型
  120度導通型

 制御信号は、3相インバータから与えますがタイミング
 チャートが少し異なります。

  180度導通型



  120度導通型




 120度導通型では、トランジスタのスイッチ遅延で
 上から下へと電流の貫通がないよう、デットタイム
 を入れています。

 どちらの場合も、制御信号のパターンは確定して
 いるので、ROMシーケンサには制御信号を出力する
 パターンを焼き込むだけで、対応できます。

 回転数を変えたいときには、ROMシーケンサに使っている
 アドレスカウンタに与えるクロックを変えればよいはず。

 180度導通型では、60度ごとにパターンを拾うと以下。

 120度導通型では、60度ごとにパターンを拾うと以下。

 クロックは、VCO(Voltage Controlled Oscillator)に
 6進カウンタを接続して、アドレスカウンタにすると
 制御信号を生成できます。

 回路は、以下。



 ROMのアドレスA3を、120か180の選択で利用すれば
 カウンタは、TTLやCMOSどちらでも可。

 カウンタのリセットには、ワンゲートの論理積ICを
 利用すれば、実装面積を減らせます。

 ダイオードと抵抗でつくる論理積回路でも、動作
 速度に問題はないでしょう。




 3相誘導電動機に接続するインバータの最高周波数は
 1kHzにもならないので、CMOSで充分。


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