目次
前
ACモータ制御回路エミュレータ
ACモータは、3相誘導電動機とも呼ばれます。
コンプレッサ、エアコン等では、頻繁に目にします。
3相誘導電動機は、インバータで回転させますが
6チャネル(U+U-V+V-W+W-)の制御信号を使った
周波数制御で回転速度を可変できます。
3相誘導電動機を動かすためには、次のブロック図を
見て、始動処理、速度制御を考えます。
3相誘導電動機の回転数は、次式で求められます。
N = (120 x f) / P
N:回転数 f:周波数(Hz) P:極数
6個のトランジスタあるいはFETに電流を流すか止めるか
の制御信号を送ってやれば、3相誘導電動機は回ります。
制御信号の与え方は、次の2通り。
180度導通型
120度導通型
制御信号は、3相インバータから与えますがタイミング
チャートが少し異なります。
180度導通型
120度導通型
120度導通型では、トランジスタのスイッチ遅延で
上から下へと電流の貫通がないよう、デットタイム
を入れています。
どちらの場合も、制御信号のパターンは確定して
いるので、ROMシーケンサには制御信号を出力する
パターンを焼き込むだけで、対応できます。
回転数を変えたいときには、ROMシーケンサに使っている
アドレスカウンタに与えるクロックを変えればよいはず。
180度導通型では、60度ごとにパターンを拾うと以下。
- 0( 0) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,1,1,0,0,1) -> $19
- 1( 60) : (W-W+V-V+U-U+) = (1,0,1,0,0,1) -> $29
- 2(120) : (W-W+V-V+U-U+) = (1,0,0,1,0,1) -> $25
- 3(180) : (W-W+V-V+U-U+) = (1,0,0,1,1,0) -> $26
- 4(240) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,1,0,1,1,0) -> $16
- 5(300) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,1,1,0,1,0) -> $1C
120度導通型では、60度ごとにパターンを拾うと以下。
- 0( 0) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,0,1,0,0,1) -> $09
- 1( 60) : (W-W+V-V+U-U+) = (1,0,0,0,0,1) -> $21
- 2(120) : (W-W+V-V+U-U+) = (1,0,0,1,0,0) -> $24
- 3(180) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,0,0,1,1,0) -> $06
- 4(240) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,1,0,0,1,0) -> $12
- 5(300) : (W-W+V-V+U-U+) = (0,1,1,0,0,0) -> $18
クロックは、VCO(Voltage Controlled Oscillator)に
6進カウンタを接続して、アドレスカウンタにすると
制御信号を生成できます。
回路は、以下。
ROMのアドレスA3を、120か180の選択で利用すれば
カウンタは、TTLやCMOSどちらでも可。
カウンタのリセットには、ワンゲートの論理積ICを
利用すれば、実装面積を減らせます。
ダイオードと抵抗でつくる論理積回路でも、動作
速度に問題はないでしょう。
3相誘導電動機に接続するインバータの最高周波数は
1kHzにもならないので、CMOSで充分。
目次
前