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発振回路で音だし
人間の可聴帯域は、20Hzから20kHzと言われています。
発振回路で可聴帯域の音をだしてみます。
ブロック図を描いて、回路を検討。
スピーカを鳴らすだけの駆動能力がOPアンプには
ないので、音声帯域のアンプを入れます。
ブロック図から、発振回路とバッファを組み合わせると以下。
音声帯域アンプは、既に半田付けしてある基板を利用。
スピーカは、¥100ショップで入手したもの。
発振回路から出力される波形は、矩形波なので
フィルタを使って、正弦波に近づけてみます。
フィルタは、Passiveタイプとして、次の基板を利用。
Passiveタイプのフィルタは、信号の振幅を小さくするので
倍率器とバッファを通して、音声帯域アンプに接続します。
ブレッドボードに、発振回路、フィルタ回路を組上げます。
下側に発振回路を置きました。
ワイヤーは、色ごとに次のように接続。
- 橙 OPアンプ出力
- 黄 OPアンプ反転入力
- 青 OPアンプ非反転入力
- 黒 GND(0V)
100kΩの抵抗1本に、0.1uFの積層セラミックキャパシタを
接続。これで発振周波数は451Hzに。
上の左側には、100kΩの抵抗と並列接続できる抵抗とダイオード
を置いて、発振周波数を変化させるられるようにしています。
並列接続する抵抗とダイオードにより、次のように発振周波数が
変わりました。
ダイオードは、小信号シリコンダイオードで、ごくありふれたデバイス。
ワイヤーは、色ごとに並列に接続できます。
- 黒と緑 30kΩ
- 黒と紫 30kΩとシリコンダイオード
- 緑と紫 シリコンダイオード
フィルタは、10kΩの抵抗1本に、0.1uFの積層セラミックキャパシタを
接続。キャパシタからバッファを介して、スピーカに接続。
ワイヤーは、色ごとに次のように接続。
- 白 バッファのOPアンプ出力
- 緑 バッファのOPアンプ反転入力
- 黒 GND(0V)
ブロック図では、次のように接続して、音を出せました。
アナログコンピュータ基板と接続すると、以下。
OPアンプ出力は、大電力を扱えないと考えていましたが
電圧フォロワのバッファを入れてスピーカに接続すると
静かな部屋では、うるさいほどの音量でした。
エンクロージャに入れていないスピーカでも、静かな
部屋では、うるさいくらいの音量で聞こえていました。
フィルタありとなしでは、フィルタなしの場合、濁った音で
聞こえ、フィルタが入っていると、澄んだ音になりました。
抵抗とキャパシタによるフィルタでは、接続の仕方で
Low Pass Filter(LPF)かHigh Pass Filter(HPF)に変身
します。
今回はLPFを使っています。
音声周波数の場合、抵抗とキャパシタを利用しますが
高周波になるとインダクタとキャパシタでフィルタを
構成します。
フィルタとして見た場合、キャパシタは次の性質をもちます。
LPFはキャパシタが高い周波数成分をGNDに落とす。
HPFはキャパシタが高い周波数成分を次段に伝達。
抵抗とキャパシタの組み合わせは、時定数をもとに考えます。
抵抗とキャパシタを以下のようにして、LPFの音を
出して聞いてみます。
- C1=0.1uF R1=2.2MΩ
- C1=0.1uF R1=1MΩ
- C1=0.1uF R1=100kΩ
- C1=0.1uF R1=10kΩ
- C1=0.1uF R1=1kΩ
- C1=10uF R1=2.2MΩ
- C1=10uF R1=1MΩ
- C1=10uF R1=100kΩ
- C1=10uF R1=10kΩ
- C1=10uF R1=1kΩ
LPFとするのは、OPアンプの周波数特性で必ずBPF(Band Pass Filter)と
なるので、HPFとしての特性を調べるのは無駄と判断しました。
発振器が2つあるとき、踏切の警報音、アメパトサイレンの音を
出せそうなので、実験してみます。
発振器の出力を加算してみたら、どんな音が出てくるのかを
実験してみます。
ブロック図で回路の接続を考えると、以下。
発振器と加算器の間に、アッティネータを挟んで
振幅を半分以下に抑えます。
電圧振幅で加算すると、飽和することがあります。
加算の結果が飽和しないように、発振器の電圧振幅を
下げるため、アッティネータを入れます。
数式でみると vout = Va + Vb で Va=Vb=Vin の条件が
あると vout = 2Vin となり、電源電圧を上回る可能性
があると判断できます。
ブロック図から回路を組みます。
発振回路のフィードバック抵抗値を変えて、2つの
周波数をつくり、出力振幅を下げてから加算器に入力。
そのままの振幅で加算するとオーバーフローするので
減衰させてから加算するのが基本。
加算を減算にすると、どうなるかを実験します。
ブロック図は、以下。
ブロック図から、回路図に変換。
音を出す回路で、身近な存在を2つ選んで
実現してみます。
踏切の警報音
踏切の警報は、カーン、カーンという高い周波数の
音を出して、減衰させるようにすれば実現できます。
高い周波数と低い周波数を切り替えるためのセレクタが
必要になるので、CMOSの4052を使います。
ブロック図では、以下。
セレクタを制御するための発振器が必要ですが
周期は2秒から5秒程度にします。
アメパトサイレン
アメパトサイレンは、高い周波数を低い周波数で
変調することで実現します。
ブロック図では、以下。
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