目次

発振回路でLED点滅

 動かして楽しい回路は、次のどれかを含んでいることが
 電子工作教室のボランティア経験からわかってます。

 発振回路にLEDを接続して遊んでみます。

 ブロック図を描いて、回路を検討。



 ブロック図から、発振回路とバッファを組み合わせると以下。




 OPアンプは、電流のソース、シンクになります。
 10mA程度のソース、シンクとして使えるので、電流
 制限抵抗の値は、1kΩを選択。

 発振の周波数を考えます。

 1秒に1回程度の点滅ができれば、目視できるので
 周波数としては10Hzから0.5Hzを目標に。

 時定数で1秒から10秒となればよいので、抵抗値と
 静電容量の組み合わせを列挙。

 手持ちで0.1uF、0.33uFが大量にあるので、静電容量は
 この2値を組み合わせて、利用。
 抵抗は、1MΩ、2.2MΩ、4.7MΩがあるので、これらを使います。

 抵抗は並列に接続すると、もとの値の1/2、1/3とできるので
 1MΩ、2.2MΩ、4.7MΩを使い、並列接続し抵抗値を下げます。




 出力電圧の中点電位は、10kΩの抵抗を2本
 使った、分圧回路で実現。

 抵抗はすべてカーボン抵抗とし、許容電力は250mW品を利用。

 時定数をかえて、LEDの点滅がどうなるかを実験してみました。



 ブレッドボードにフィードバックの抵抗とキャパシタを入れ
 抵抗を並列に接続していきます。
 発振回路とLEDの間にバッファを入れて対応。

 点滅の周期を目で追ってみると、並列に接続する抵抗の数が
 増えるに従い、点滅の周期が短くなることがわかりました。

 発振器を1個、LEDを2個利用すると、何ができるかと考えると
 身の回りには、次のような例がありました。

 これらの回路は、どう実現できるかを見ていきます。

 踏切の警報装置

  踏切の警報装置は、次のように左右にランプがあります。



  ランプは交互に点灯、消灯を繰り返すので、左が点灯なら
  右は消灯になりますから、inverterが必要。
  inverterは、トランジスタを使います。



  電車が線路のある範囲にいるときに点滅させたいので
  LEDに発振回路の出力を接続するか否かのカラクリを
  スイッチでつけて、踏切の警報装置を実現。



  スイッチは、電源を供給すると考えれば
  トランジスタで対応できます。




  プッシュスイッチを押すと、OPアンプによるコンパレータは
  電源電圧近くの電圧を出力し、トランジスタのベースにその
  電圧を与えます。ベース電圧で、コレクタからエミッタへと
  電流を流すので、スイッチになります。

  この論理回路を接続すると回路は、以下。



  電車が線路のある範囲にいるかどうかは、スイッチが
  押されているか否かで判断されるので、メカ上の工夫
  でよいのですが、デジタルICのNANDでRSラッチを作って
  対応すればよいでしょう。



  論理回路を除き、基本となる回路で実現できました。
  気に入った点滅周期になるように、抵抗値と静電容量を選びます。

  R1=6.6MΩ、C1=0.2uFが、自分の気に入った点滅周期でした。

  R1は2.2MΩのカーボン抵抗を3本直列に、C1は0.1uFの積層
  セラミックキャパシタを2本並列にして実現。

 自動車の方向指示器

  自動車の方向指示器は、次のように左右にランプがあります。



  右と左のどちらかのスイッチが入ると、対応したランプが
  点滅すればよいので、ブロック図は次のようにすればOK。



  スイッチは、次の論理回路を使えばよいでしょう。



  スイッチ用論理回路を接続すると、以下。



  OPアンプ1個で流し出せる電流は、10mA程度なので
  トランジスタのベース電流を抑えるために計算して
  おくと、以下。



  実車ではハザードもあるので、2ボタンを同時に押すと
  方向指示の他の機能を実現できます。

  気に入った点滅周期になるように、抵抗値と静電容量を選びます。

  R1=2.2MΩ、C1=10uFが、自分の気に入った点滅周期でした。

  R1は1MΩで1本のカーボン抵抗とし、C1は10uFの表面実装タイプ
  積層セラミックキャパシタを利用。

 

  蛍はキレのある点滅ではなく、ゆっくり点灯、ゆっくり消灯を
  繰り返えします。

  ブロック図は、踏切りの警報装置を少し拡張します。
  バッファとLEDの間に、faderを入れて対応。



  発振器の出力を加工して、faderから角が丸くなった
  信号を出力します。



  faderは抵抗とキャパシタを利用すると、簡単に作れます。
  ブロック図から回路を組むと、以下。



  映像から蛍の点滅周期になるように、抵抗値と静電容量を選びます。

  R1=6.6MΩ、C1=10uF、R4=22kΩ、C2=220uFが、蛍の点滅周期
  に近かったです。

  R1は2.2MΩのカーボン抵抗を3本直列に、C1は10uFの表面
  実装タイプ積層セラミックキャパシタを1本にて実現。

 発振回路の周期は、ブレッドボード上に反転入力、非反転入力に
 接続する回路を組上げて調べました。



 ワイヤーは、色ごとに次のように接続。

 2.2MΩの抵抗3本を直列にしましたが、中央の抵抗は
 ワイヤーでジャンパーし、抵抗値を下げて発振周波数
 が変わることを確認できるようにしました。

 蛍で使う抵抗、キャパシタによる充放電回路も
 ブレッドボードの空いているスペースに入れて
 実験してきました。

 アナログコンピュータ基板と接続すると、以下。



 発振回路から、バッファを2段通して、LEDを点滅させました。

 アナログコンピュータ基板上には、カウンタICによる
 分周器があるので、初段バッファには分周器と次段の
 バッファに発振クロックを分配させています。

 分周器の出力は、BCDデコーダに接続してあり、10個のLEDが
 分周とともに下から上に点滅していきます。おおよその発振
 周波数がわかるようになっています。

 次段のバッファで、次のロジックチェッカーのLEDを点滅
 させました。




 赤ワイヤー(電源プラス側)、緑ワイヤー(電源マイナス側)、黄
 ワイヤー(計測プローブ)で使っています。

 ロジックチェッカーの回路は、単純で以下。



 基本となる発振回路の動作実験が終わったので
 次の3つの光り物を作っていきます。

 踏切の警報装置

  電源を除いた入力、出力をどうするかを考えます。

  OPアンプは、TL084か互換品を利用。
  基板に半田付けすると、以下。



  電源電圧は、12Vとしました。

 自動車の方向指示器

  電源電圧は、自動車ではバッテリーの電源が使えるので12Vとします。

  電源を除いた入力、出力をどうするかを考えます。

  OPアンプは、TL084か互換品を利用。
  LEDの電源電圧は、別に用意します。



 

  電源を除いた入力、出力をどうするかを考えます。

  出力は、LEDに与える点滅信号だけ。

  電源電圧は、6Vとします。

  基板に半田付けすると、以下。




目次

inserted by FC2 system