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昇圧型DCDCコンバータ

 降圧型DCDCコンバータの次は、昇圧型を見てみます。

 回路は、次のようにインダクタとダイオード間に
 スイッチング素子を入れて、発振回路の出力での
 スイッチングにします。



 スイッチング素子であるトランジスタのコレクタと
 エミッタ間に電流が流れるか、止まるかで動作を
 わけてみると、わかりやすくなります。

 コレクタ/エミッタ間に電流が流れていない

  直流電流が、ダイオードを経て、負荷と
  キャパシタに与えられます。
  インダクタに磁気エネルギーが蓄えられてると
  直流電圧に加算された電圧が、負荷とキャパシタに
  与えられます。



 コレクタ/エミッタ間に電流が流れている

  トランジスタがインダクタから流れてくる電流を
  カットします。ダイオードは、電流の流れる方向
  を変えないので、キャパシタは電池となり、放電
  により、電力を負荷に与えられます。



 発振器とスイッチング回路で、昇圧できるかを
 回路を半田付けしてテストしてみました。

 電源、発振回路を接続し、LEDを点灯させています。



 わかりにくいので、周囲を暗くして撮影すると
 白色LEDの点灯がわかります。



 電源として3V、クロックとして55Hzを与えて白色LEDが
 点灯することを確認できました。

 クロックは正弦波ではなく、矩形波でドライブして
 インダクタに蓄えられるエネルギーを多くなる様に
 します。

 今回利用したクロックは、DUTY比を50%としました。

 インダクタンスは、100uH以上であれば昇圧して
 懐中電灯を構成するには充分でした。

 電圧を一定にしなくてもよい用途では、LC回路に
 スイッチングダイオードを接続するだけで充分と
 わかります。

 負荷に与えられる電圧を一定にするため、フィードバック
 ループを入れて、電力を制御します。



 デジタルで制御する場合、A/Dコンバータと発振器を
 用意すれば、負荷が要求する電力を与えられます。

 最近のワンチップマイコンは、A/Dコンバータとタイマー・カウンタ
 を内蔵していることが多いので、マイコンで制御回路を構成して
 みます。

 A/Dコンバータ、タイマー、NCO(Neumerical Control Oscillator)を
 ワンチップで内蔵しているマイコンで8ピンDIPサイズを探してみる
 と、ワンコインという条件をつけてPIC12F1501が出てきました。



 ワンチップマイコンを利用するのは、実装面積が小さいのと
 安価なので多数用意しておけば、破損しても代替が効くから
 という理由です。また、機能を追加したい場合、2個、3個
 と増やしていけば楽です。

 A/D変換器の接続は、ダイオードの出力とします。
 PWM波形の出力は、スイッチングデバイスに接続。



 A/D変換器で電圧を監視し、スイッチングデバイスに
 与えるPWM波形DUTY比を調整しつつ、定電圧をキープ
 します。

 指定された電圧より、小さければDUTY比を高くして
 流す電流を多くします。大きいときには、DUTY比を
 低くします。

 コンパレータを利用し、PWMのDUTY比を調整するアナログ
 制御回路を先に考えます。

 TL431で目的の電圧を作っておき、コンパレータへ入力。
 コンパレータはLM393を使います。



 回路図の下側に置いたOPアンプで、PWM波形の元になる
 三角波を生成。三角波とフィードバック電圧を比較し
 コンパレータでPWM波形を生成し、電力を制御します。

 三角波の波形は、三角定規のようになる仕様。




 緩やかなランプ関数で電圧を変化させ、一気にゼロまで
 下げるとPWM波形のDUTY比を細かく制御できます。

 動作原理をわかりやすくするため、アナログ回路で
 表現しています。


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