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LED照光器制御回路再考

 MCRのコースに太陽光が差し込むと、センサーが
 ハレーションを起こすため、LEDを利用し外乱光
 に負けないほどの光を照射します。



 2015年の大会では、DCDCコンバータを利用して
 昇圧した電圧を与えてました。

 LED光の輝度を上げるには、電源電圧を高くする他に
 流す電流値を大きくする方法もあります。

 定電流回路の動作から、電流を可変する方法を
 考えてみます。



 大まかに計算してみます。

 トランジスタのベース電圧は、VB=Vinx[R2/(R1+R2)]。
 トランジスタのエミッタ電圧は、VE=VB-0.6。
 流れる電流は、I=VE/R3。

 Vinに5Vを与えてR1=R2とすると、VE=1.9V。
 R3=200Ωを与えると、約9mA。
 R3=100Ωを与えると、約18mA。
 R3=50Ωを与えると、約36mA。

 LEDに電流を流すとして、トランジスタが耐えられるかを
 考えると、小信号トランジスタでも絶対最大定格で150mA
 くらいです。その1/10から1/5なので、壊れることはない
 でしょう。

 抵抗が焼損しないかを計算してみると、R3=50Ωでは約36mA
 になるので、1.9Vx36mA。これで72mW程度なので250mWの抵抗
 でも問題ありません。

 LEDに流す電流を20mAとすれば、トランジスタ1個に
 対して最大4本のLEDを接続しても問題ないでしょう。
 電流値の合計が80mAなので、トランジスタ1個にLED
 を1個にします。

 回路図は、以下。



 トランジスタは、小信号タイプで絶対最大定格で100mA
 あれば、充分。抵抗は、すべて250mWでも、問題はない
 でしょう。

 実コースで、輝度不足と判断したなら、100Ωに並列に
 100Ωを接続していきます。

 デジタル的ですが、可変抵抗器を利用するより
 単純で、難しく考えないですみます。

 LEDは高輝度の白色を使います。

 DCDCコンバータを利用した昇圧回路では、デジタル回路の
 ような高速動作をしている場合、輝度に揺らぎが発生する
 ので、実際の路面では発生しない、輝度の波打ちが起きる
 と考えて、定電流源を使うことにしました。

 ブレッドボードに回路を組み上げて携帯電話のカメラで
 輝度の波打ちがおきていなことを確認しました。



 ブレッドボードに2個のLEDを点灯する回路を実装すると
 抵抗の個数が多いと、感じたのでトランジスタのベース
 に与える電圧をシャントレギュレータを使い一本化して
 おきます。



 回路図に入れた抵抗値では、シャントレギュレータ
 から出力する電圧は3V程度になります。

 TL431を使う他に、3Vのツェナーダイオードを使っても
 等価な回路になります。ツェナーダイオードの手持ちが
 ないのでTL431を使いました。

 実際のLED照光器は、次のようになりました。



 LED、トランジスタ、抵抗およびTL431だけなので
 非常に簡単な回路になりました。

 使っているLEDの順方向降下電圧が、2.7Vくらいで
 6V以上の電源電圧で、眩しいくらいに発光します。
 電流値は70mAでした。

 電流値がTL431を含めても70mAというので、意外に
 使える回路だと言えるでしょう。


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