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LED照光器用DCDCコンバータ

 2年続けて、太陽光に負けて、コース面のラインを
 正しく取得できなかったので、LED照光器に与える
 電源電圧を大きくします。

 利用できる電源は、単3電池8本までの規定があるため
 1.5V電池を利用すると、12Vが最高です。これを超える
 電圧を与えるには、DCDCコンバータを使います。

 1個のLEDで利用する電流を10mAとすると、8個のLEDで
 80mAくらいになります。12Vで計算すると、960mWになり
 ます。

 12Vを昇圧して、20V近くまでもっていくと、20Vx80mAで
 1600mW=1.6Wくらいになります。この電力を扱うためには
 インダクタを電源電圧用にすればよいと考えました。

 手持ちのインダクタには、次のものがあります。



 実装面積が少なくてよい、ドラム型のインダクタを
 利用することにしました。

 昇圧タイプのDCDCコンバータは、インダクタに電磁エネルギーを
 ためて、スイッチングするのが基本なので、発振器が必要です。

 パワーエレクトロニクスのシミュレーションで、次の回路を
 使えば昇圧回路を実現できることがわかっています。



 回路図中のV1には電池を、V2には発振回路の出力を接続します。

 発振回路を手軽に作るには、定番ICの555を使えばよい
 ので、CMOSタイプのLMC555を利用します。

 順方向に電流を流すため、ダイオードが必要ですが電圧
 降下が少ないショットキータイプを利用します。

 実際の回路は、以下としました。



 回路として組み上げると、次のようになります。



 単4のアルカリ電池2本で、白色LED(順方向電圧3.2V)を
 ドライブできているので、4V以上になっていると判断でき
 ます。



 利用するマシンでは、電源電圧を5Vとしています。

 5Vは、マイコン、FPGAを動かすために必要な電圧
 で、DCDCコンバータを使っています。

 大本の電源電圧は、2次電池の8本直列として
 10V前後です。10V前後の設計した回路に与える
 と、20Vくらいになるので、相当な明るさを確保
 できることに。

 DCDCコンバータが必要とするクロック周波数は
 40kHzから250kHz程度とすれば、FPGAの中にある
 ゲートをクロックジェネレータを作り対応可能
 です。

 250kHz程度のクロックを生成するのは、FPGAに
 接続したシステムクロックを分周してやれば
 簡単に実現できます。VHDLコードを作成して
 チェックしました。

library IEEE;
use IEEE.STD_LOGIC_1164.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_ARITH.ALL;
use IEEE.STD_LOGIC_UNSIGNED.ALL;

entity dcgen is
  port (
    -- system
    nRESET : in  std_logic ;
    CLOCK  : in  std_logic ; -- 11MHz
    -- output
    COUT   : out std_logic -- ;
  );
end dcgen ;

architecture Behavioral of dcgen is
  --
  CONSTANT CNTMAX  : integer := 99 ;
  CONSTANT CNTHALF : integer := 50 ;
  -- output
  signal iCOUT : std_logic ;
  -- counter
  signal iCNT : integer range 0 to CNTMAX ;
begin
  -- output
  COUT <= iCOUT ;

  -- generate 110kHz
  process (nRESET,CLOCK)
  begin
    if ( nRESET = '0' ) then
      iCNT <= 0 ;
    elsif rising_edge(CLOCK) then
      if ( iCNT = CNTMAX ) then
        iCNT <= 0 ;
      else
        iCNT <= iCNT + 1  ;
      end if ;
    end if ;
  end process ;
  iCOUT <= '1' when ( iCNT < CNTHALF ) else '0' ;

end Behavioral;

 出力クロックは、次の回路に接続します。




 ドライブ用のMOSFETは、ゲート電圧を4Vくらいするのが
 相場ですが、小信号のトランジスタ2SC1815か2SA1015を
 挟むと、この電圧を与えられます。




 インダクタとMOSFETを、小さな基板にまとめました。



 サーボモータのように、3ピンで電源、制御信号を与え
 2ピンで昇圧した電圧出力にしてあります。

 回路上は、次の構成にしました。



 FETのゲートに制御信号が入らないときでも、LEDを点灯できる
 ようにしています。FETのゲートにクロックを入れると、昇圧
 します。

 インダクタは、1Aの電流容量をもつデバイスを選び、焼損が
 おきないようにしています。


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