ポリテックビジョン(20100220)

 小樽市銭函にある、能開大(ポリテックカレッジ)で毎年
 開催されているポリテックビジョンを見学してきました。

 学生展示のショートプレゼンテーションの、外部審査員を依頼された
 ので、発表も聞いてきました。

 すべてを紹介できませんが、抜粋して内容をアップします。


 スターリングエンジンです。  2ディスプレーメントで、小さいシリンダーをヒーターで  熱して、膨張した空気で大きいシリンダーを動かします。  スターリングエンジンは、人工衛星で使われることが多いです。  太陽光で、シリンダー内部の気体を熱して、冷却装置を動かす  ようなときに使います。
 手作りのミニ旋盤です。机の上に載せて使うそうです。  旋盤で作れるサイズは、直径10mm、長さ20mm。  これだと、長いビスやドライブシャフトが作れそうです。
 前輪にボールを利用したライントレーサーです。  4軸に配置したモータで、ボールを動かします。  ボールで、360°のどの角度にも回せるので  縦列駐車を、より少ない切替しで実現できます。
 Bluetoothを利用した、アームロボットのティーチングシステムです。  左右にあるパーソナルコンピュータ間で、Bluetoothによる無線通信  で、サーボモータの角度を送っています。  右がマスターで、左がスレーブ。宇宙空間にあるロボットアームも  このようなシステムで動かすと有人飛行が不要になるかも知れません。
 組込みシステムの学習用テキストを作成したチームの  説明員です。彼らは、H8の3052、3069および組込みLinux  のボードを活用するための指導者と学習者のテキストを  わけいます。学習者テキストでは、重要部分を空欄にし  指導者が与える内容を書き込まないと、完成しないように  配慮しています。  (居眠り、遅刻をさせないようにするための対策だとか。)
 魚タイプロボットです。  浅い深度で、海底の状態をカメラで撮影するために開発して  いるとか。過年度のロボットは、実際に小樽港で潜水試験を  しています。  FRPの中には、サーボモータやメカが納まっています。  潜水した場合の水圧による浸水と浮上をどうするかという  課題が残っているとか。
 ライントレースロボットです。空き缶を拾って、ゴールに入れる  ためのクレーンがついています。  自律移動できるようにすれば、空き缶を掃除するロボットとして  利用できるでしょう。「とある科学の超電磁砲」の学園都市で動く  ロボットの原型といえます。  釣り道具店で入手できるテグス、模型店で買えるプーリー、ギア  ボックスを利用して安価に作れるようになっています。  同じ競技に参加させた別のライントレースロボットは、メカが  凝っています。自動車と同じアッカーマンリンクを使い、前輪  を制御しています。メカトロの実践ですね。
 電気二重層キャパシタです。これと太陽電池パネルを組み合わせて  電波時計を動かしていました。山間部や辺境の電気がない場所での  活用例として、電波時計を使っていました。
 高齢者の住宅におかれるマスコットです。話しかけると答えたり  天候やニュースなどの情報を、喋ることができるとか。  ぬいぐるみの鼻に、カメラを入れて、部屋の状態をネットワークで  配信できるようになっています。  センサーにより、高齢者が緊急の状態にあるかどうかの通報も可能  になっています。
 ネットワークからの指示で動く、除雪機です。  組込みLinuxBoxであるArmadilloを使っています。
 機械の振動に関する実験装置です。これで、機械や建物の  振動による影響を目で確認できます。  偏芯カムとモータを使った単純なメカですが、錘を左右に振り  固有振動数に共振したときの物体の動きがわかります。  10Hzから10kHz程度まで、振動数を変化させると  2回共振点が出てきて、その振動数のときに、こわれるか  と思われるほど、免振用の錘が動きました。  共振点にあるときに、機械や建物内の物体に見立てた物体で  振動を吸収できるかを、目で見られるようにしたモータです。
 オムニホイールを利用した倒立振子用機械です。  外周を一定にして、内部のギア用にモジュールピッチを  変えられるように設計してあります。この部分は、NC  工作機械をもっているので、内部に入れるモータに整合  させることが可能だとか。  利用しているアルミ板は1.5mmから2mm程度です。  これを変えられるのは、製作の自由度を増やすことになり  入手できる素材で、メカを実現できることになります。
 新しい免振構造です。  筋交いを入れると、一方向に対しては強くなりますが  反対方向には脆弱になります。そこで、トルクが発生する  構造にして、左右どちらから振動を与えても回転して熱と  音に振動エネルギーを変換してしまいます。

もどる

inserted by FC2 system