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夜間点滅器シミュレーション

 夜間点滅器は、センサーを利用して昼夜の判定をし
 LEDを点滅します。利用するブロックは、以下。

 ブロック図では、次のようになります。



 各ブロックの役割と実現回路を考えていきます。

 コンパレータ

  センサーが出力する電圧を参照電圧と比較し、セレクタを
  制御する電圧を出力します。一見、ブリッジ回路かと思い
  ますが、単純なコンパレータ。



  電圧比較なので、可変抵抗器と固定抵抗で2種の電圧を
  生成すれば、テスト可能。

 発振器

  発振器は、LEDを点滅するときに使うクロック
  周波数を決めます。2Hzから0.5Hz程度でよい
  でしょう。



  発振周波数が高い場合、分周器を利用して周波数を下げます。



  電源電圧をOPアンプとあわせるために、4024、4040等を利用。
  74シリーズの場合、電源電圧は3Vから6Vの範囲なので少し
  使いにくいので、CMOSの4024、4040を使うことに。

 セレクタ

  セレクタは、発振器の出力クロックか0を切り替えます。
  セレクタには、AND回路を利用。
  AND回路は、信号を伝達か、停止かを制御する決めるゲート
  (門)として使えます。



  IN_Aにクロック出力を接続し、IN_Bにコンパレータ出力を接続。

  IN_Bが'0'の場合、OUTは'0'となります。
  IN_Bが'1'の場合、OUTはIN_Aに依存。

 ドライバ

  ドライバは、OPアンプでは駆動できないLEDの電流を供給する
  ことを目的にします。

  小信号トランジスタかエンハンスメント型MOSFETを利用。



 LED

  ドライバが流せる電流を考えると、100mAが上限です。
  順方向電圧が、2Vから3V程度の白色か青色LEDを
  使えばよいでしょう。



 シミュレーションする回路をまとめておきます。




 470kΩと0.1uFの直列接続で、時定数は47ms程度になります。
 この値であれば、発振周波数を100分周すると約1秒の周期で
 HとLを出力できます。

 ダイオードは、LEDを利用することに。

 LEDを使うと、AND回路の論理入力値を目視できるので
 計算機の中のシミュレーションだけでなく、ブレッド
 ボード上に回路をつくっても、わかりやすくなります。

 2LEDによるAND回路の動作は、ブレッドボードで確認



 赤LEDをセンサー側、緑LEDをクロック側としています。
 LEDが点灯すると、Lレベルになっていると確認。

 AND回路の出力はマルチメータを利用し、電圧が電源電圧
 近くまでと0V付近になることを確認。

 OPアンプを動かすために利用する電源電圧は、-12Vから+12V
 程度なので、74HCシリーズのように3Vから6Vという制約から
 外れるため、スイッチングダイオードやLEDによる論理演算
 回路を構成したいときには、最適だと考えられます。

 AND回路は、次のような信号伝達制御ブロックと等価と
 考えるのが妥当でしょう。



 signalに発振器の出力、controlにセンサー出力を接続
 すれば、センサーにより発振器出力の伝達を制御できる
 と考えます。

 制御ブロックのイメージを適用すると、シミュレーション
 回路は次の描き方でよいでしょう。



 センサー部分は、次の基板で代用。



 電源を接続すると昼夜判定をします。
 夜と判断したとき、電源電圧を出力。

 明るければ0V出力なので、インバータを入れて
 暗いときに、0Vを出力するように反転します。

 回路は、次のように簡単。



 点滅用の発振回路と分周回路の出力を確認。





 分周回路の出力周波数を、もう少し下げたいので
 周波数チェッカーを利用しました。



 周波数チェッカーは、CMOSカウンタの4040を利用しているので
 入力クロックを、最大(4096)分周できます。6Hzを16分周すると
 約5秒に1回の'H'信号出力が可能。

 周波数チェッカーは、CMOSカウンタ4040を利用しているので
 10MHzから音声周波数までに下げられます。さらに視認可能な
 1Hzから0.1Hzまでも下げられるので、分周が不足している時
 よく利用します。

 カウンタICを利用しない場合、キャパシタの静電容量と
 フィードバック抵抗値を大きくして、テストすると10秒
 以上の周期になりました。



 左を発振回路、右をコンパレータとして使うと単電源OP
 アンプであるLM358で超低周波数の発振回路になります。



 手持ちのキャパシタで47uFがなかったので、100uFを直列
 に接続し、無極性になるようにしました。

 発振回路に、昼夜判定用コンパレータとダイオードによる
 論理積回路を接続すると、夜間点滅器が完成。

 LM358は、1パッケージにOPアンプを2個含みます。
 OPアンプを4個含んだICには、LM324があります。
 これを利用。

 回路は、以下。



 上は発振処理、下側はセンサー処理とし
 ダイオードの論理積でドライブ用のFETを
 制御します。

 センサー処理では、1段バッファを入れて
 安定した動作になるようにしました。

 単電源で利用する場合は、上の回路になりますが
 正負の2電源の場合は、バッファを反転増幅器に
 しても利得を与える方式でも動かせます。

 発振周波数が高くなると、振幅が小さくなるので
 バッファ部分をコンパレータにして対応します。

 OPアンプは、フィードバック処理しないと、増幅率が
 高いので、コンパレータにすると、出力が電源電圧に
 一気に遷移する回路を組めます。



 バイポーラトランジスタで、LEDドライバを構成した
 とき、ベース電圧を0.6Vより下げるようダイオードと
 抵抗を入れます。

 現在使っている夜間点滅器は、以下。



 LM324は、1パッケージにOPアンプが4個ですが
 LM358は、1パッケージにOPアンプが2個なので
 比較器と発振器にダイオードAND回路を接続して
 みると、ブロック図の構成と同じになります。



 実際に利用している夜間点滅器は、以下。



 センサー+LEDの基板と比較器+発振器を
 別個にしてあります。

 シリコンダイオードのVFは、0.6Vなのでバイポーラ
 トランジスタを利用すると、ダイオードAND回路の
 出力で、常にLEDが点灯します。

 ショットキーバリアーダイオードのVFは、0.3Vなので
 部品点数を減らすならば、ショットキー型を使うべき
 でしょう。ショットキー型を使うと、トランジスタに
 接続するダイオード、抵抗は不要になります。

 LEDの点滅には、OPアンプの親戚であるアナログ
 コンパレータを使うことも可能。

 センシングと点滅に関係する部分にアナログコンパレータ
 を利用すると、次のようになります。



 2つのダイオードは、抵抗を利用してAND回路になります。
 発振出力を、LED点滅回路に伝達するかしないかをAND回路
 を使って制御。

 夜間では、SENSORの出力電圧が'H'レベルになりますが
 アナログコンパレータでバッファリングして、安定化し
 ダイオードに与えます。

 アナログコンパレータから'H'レベルを出力すると、発振
 出力が、LEDの点滅を制御するブロックに伝達されます。


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