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直列共振回路の実験

 共振回路をアナログコンピュータで実現するため
 対象回路は、次の書籍の掲載内容を利用します。



 直列共振の実例として、次の回路を使います。
 (キャパシタの電圧を見ていきます。)



 スイッチは、発振器で矩形波を生成し代用します。



 波形をオシロスコープで観測すると、次のように
 なりました。



 黄色ラインはACカップリングで、紫色ラインはDCカップリングとしています。
 静電容量と抵抗値の組み合わせで、52Hzから55Hzの周波数となりました。

 紫色ラインは、黄色ラインと比べて角が丸くなっているので、高い周波数が
 削られているとわかります。

 LTSpiceを利用してシミュレーションしてみると以下。




 パルス入力で、キャパシタの電圧変化がわかります。

 ステップ電圧の印加から、正弦波の印加に変更。



 LTSpiceを利用してシミュレーションしてみると以下。



 1kHzの正弦波を入力しても、キャパシタの両端電圧が
 下がり、位相が多少変化しているだけです。

 1kHzから周波数をあげて、何がおきるのかをシミュレーション
 してみます。また、複数の周波数を含んだ波形を入力したなら
 どうなるのかを見ていきます。

 2kHz正弦波入力



  1kHzの正弦波の場合と比較して、キャパシタの両端電圧が
  下がっています。また、位相も遅れています。

 5kHz正弦波入力



  2kHzの正弦波の場合と比較して、キャパシタの両端電圧が
  下がっています。また、位相も遅れています。

 10kHz正弦波入力



  5kHzの正弦波の場合と比較して、キャパシタの両端電圧が
  下がっています。また、位相も遅れています。

 RLCの直列回路に正弦波を入力すると、周波数が高くなるにつれ
 振幅は下がっています。インダクタが周波数が高くなるにつれて
 電流を流しにくくなって、キャパシタに蓄えられる電荷が減り
 電圧が上がりにくくなり、振幅が下がっていきます。

 1kHz、2kHzの合成正弦波入力

  OPアンプを利用して、加算してからRLC回路に接続します。



  周波数が近いと、フィルタの効果が少ないように見えます。

 1kHz、5kHzの合成正弦波入力



  入力と出力を比較すると、1kHzの信号の変化が顕著に出ています。

 1kHz、10kHzの合成正弦波入力



  入力と出力を比較すると、1kHz、5kHzの合成と比較して
  10kHzの信号が減衰していることがわかります。

 1kHz、20kHzの合成正弦波入力



  周波数が10倍以上異なると、RLC回路の出力では
  低い周波数の方が際立ってきます。

 ここまでのシミュレーションでわかることは、以下。

 周波数の高い信号は振幅が減衰し、位相が遅れていく。

 AMの受信装置では、音声周波数帯20kHzと中間周波数455kHzの
 周波数が離れているので、OPアンプによる検波回路を実現可能
 とわかります。

 RLCの共振回路でシミュレーション通りになるのかを
 実験してみます。

 45kHz程度の矩形波をコンパレータによる発振回路で
 実現し、その矩形波をRLCの共振回路に入力する。

 矩形波は、高い周波数成分を持っているので
 LPF(Low Pass Filter)であるなら、角が丸く
 なった信号が出てくるはずです。



 アナログコンピュータ基板を利用して、実験します。
 矩形波の生成は、次のように部品、ワイヤーを配線。



 発振回路の出力は、バッファを入れてあるので
 RLC回路の影響を受けにくい状態にしてあります。

 RLC回路は、ブレッドボード上に組み上げます。




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