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OPアンプの実験

 電源、測定機器、シミュレータ、ブレッドボードを
 利用してOPアンプの実験をします。

 次の順序で実験します。

 波形観測に利用するオシロスコープは、入力信号の
 周波数上限を10kHzと考え、アナログ帯域250kHzの
 Stingrayを使います。



 ある教育機関で実習をするときに使うように指示され
 使い方を覚えるために、OPアンプを使った回路の動作
 確認で目標を達成できました。

 USBでPersonalComputerと接続するので、電源が多数
 必要な場面では重宝な測定器です。帯域が250kHzと
 多少物足りないですが、OPアンプを利用した積分器
 を多用する現場なら、充分に使えるでしょう。

 リサージュ図形表示、FFTを利用したスペクトラム
 アナライザ機能もあり、実時間で回路動作を理解
 する用途には、最適でした。


反転増幅器  反転増幅器は、反転入力に抵抗を介して入力電圧を接続し  出力から反転入力に抵抗を介して接続します。  2回路入りのOPアンプ、TL082を利用します。  手持ちの関係で、1パッケージで2回路入り  でまとめます。  左 反転増幅器  右 反転器  ブレッドボードに組み上げると、以下。  (キャパシタは、省略しています)  自作の発振回路を接続して、オシロスコープで  出力波形を確認します。(入力抵抗を可変にした  ので、1.5倍になっています。)  入力に1kHzの正弦波を与え、右の反転器の出力を  観測しています。反転増幅してから符号反転する  ので、同相とわかります。  LTSpiceを利用し、動作確認。  ブレッドボードでの観測と同じになりました。  電源電圧を正負の12Vとしているので、0.5V(緑)  振幅が5V(青)に。電源電圧によるクリップがない  範囲で、動作確認しています。
反転器  反転器は、反転入力に抵抗を介して入力電圧を接続し  出力から反転入力に抵抗を介して接続します。入力と  帰還の抵抗値を同じにします。  左右ともに反転器に。  ブレッドボードに組み上げると、以下。  (キャパシタは、省略しています)  自作の発振回路を接続して、オシロスコープで  波形を観測します。  入力に1kHzの正弦波を与え、左の反転器の出力を  観測しています。符号が反転しています。  LTSpiceを利用し、動作を確認。  入力に1kHzの正弦波を与え、右の反転器の出力が緑  左の反転器の出力が青で観測。反転後、更に反転する  ので、逆相がわかります。
倍率器  反転器は、反転入力に抵抗を介して入力電圧を接続し  出力から反転入力に抵抗を介して接続します。  帰還の抵抗値を入力の2倍に。  左 倍率器  右 反転器  ブレッドボードに組み上げると、以下。  (キャパシタは、省略しています)  可変抵抗器を接続して、オシロスコープで  波形を確認します。  LTSpiceを利用し、動作を確認。  入力に1kHzの正弦波を与え、右の反転器の出力が緑  左の反転器の出力が青で観測しています。反転増幅  で2倍とし、更に反転したので、同相に。  入力の振幅が0.5Vpp(緑)に対して、出力は1Vpp(青)  なので、2倍率器を実現とわかります。
減衰器  反転器は、反転入力に抵抗を介して入力電圧を接続し  出力から反転入力に抵抗を介して接続します。  帰還の抵抗値を入力の1/10としておきます。  左 減衰器  右 バッファ  ブレッドボードに組み上げると、以下。  (キャパシタは、省略しています)  可変抵抗器を接続して、オシロスコープで波形を  確認(出力は、反転器を入れずに観測)。  LTSpiceを利用し、動作を確認。  入力の振幅が2Vpp(緑)に対して、出力は0.2Vpp(青)  なので、1/10減衰器とわかります。
非反転増幅器  非反転増幅器は、反転入力に抵抗を介して出力電圧を接続し  非反転入力に信号を入力します。  左 非反転増幅器  右 バッファ  ブレッドボードに組み上げると、以下。  (キャパシタは、省略しています)  自作の発振回路を接続し、オシロスコープで波形確認。  LTSpiceを利用して、動作を確認します。
加算器  加算器は、反転入力に抵抗を介して2つの入力電圧を  接続し出力から反転入力に抵抗を介して接続します。  左 加算器  右 反転器  ブレッドボードに組み上げると、以下となります。  (キャパシタは、省略しています)  同じ抵抗値の抵抗を2本用意し、入力電圧を同じにして  オシロスコープで動作を確認します(反転器入れず)。  LTSpiceを利用して、動作を確認します。
減算器  減算器は、反転入力に抵抗を介して2つの入力電圧を  接続し出力から反転入力に抵抗を介して接続します。  左 減算器  右 反転器  ブレッドボードに組み上げると、以下となります。  (8ピンのOPアンプを2個利用)  同じ抵抗値の抵抗を2本用意し、入力電圧を同じにして  オシロスコープで動作を確認します。  LTSpiceを利用して、動作を確認します。
積分器  積分器は、反転入力に抵抗を介して入力電圧を接続し  出力から帰還にキャパシタを接続します。不完全積分  で実験します。  左 積分器  右 反転器  ブレッドボードに組み上げると、以下となります。  (電源のキャパシタは、省略しています)  自作の発振回路を接続して、オシロスコープで  動作を確認します。  入力に対して、位相が90度変化していること  を見て取れます。振幅も減衰しています。  LTSpiceを利用して、動作を確認します。  正弦波が余弦波になっていることがわかります。
コンパレータ  コンパレータは、基準電圧をきめて、その値より上  あるいは下で出力を決定します。  アナログからデジタルに、信号形式を変換する回路  と見てよいでしょう。  左 反転器  右 コンパレータ  ブレッドボードに組み上げると、以下となります。  (電源のキャパシタは、省略しています)  自作の発振回路を接続して、オシロスコープで  動作を確認します。  LTSpiceを利用して、動作を確認します。  正弦波が矩形波になっていることがわかります。
発振器  OPアンプを利用した発振器で、正弦波を得るには  WienBridge発振回路が有名です。  OPアンプを利用した1kHz程度のWienBridge発振  回路を半田付けしました。  オシロスコープで波形を確認すると、以下のように  なりました。  矩形波生成回路は、以下です。  (英文のデータシートに載っていたもの)  オシロスコープで波形を確認すると、以下のように  なりました。  キャパシタの充放電を利用した発振器になっているので  キャパシタンス、抵抗値のどちらかを可変にするならば  周波数を可変できることがわかります。
測定での失敗  ここまでの実験波形を撮るのに、通算で8時間くらい  かかりました。測定上の失敗を記し、自分への戒めと  しておきます。  出力波形がでない   出力波形がでないのは、次の原因が殆どでした。   反転と非反転端子の電位差がゼロなのは   OPアンプが正しく動いている証拠ですが   オシロスコープのプローブを接続しての   電圧波形が出ないのは、間違ったのかと   焦ることになりました。   落ち着いてプローブの接続先を見るとわかるので   深呼吸した後、接続を見直すクセをつけました。   さらに、発振器、OPアンプの回路に電源が接続されて   いることが一目で判断できるよう、LEDを接続。  出力波形がおかしい   出力波形が設計通りになっていないというのが   何度かありました。次のような原因でした。   プローブに接続するワイヤーの色を   入力と出力で決まった色に固定し   ミスをしないようにしました。
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