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アナログコンピュータの適用範囲

 コンピュータには、アナログ、デジタルの2種があります。

 現在コンピュータと言えば、殆どがデジタル型ですが
 プログラムが必要になります。デジタルコンピュータ
 を利用し、アナログコンピュータ動作をシミュレート
 できるので、最近はアナログコンピュータを使うこと
 は、皆無となりました。

 アナログ型もコンピュータですから、プログラムが
 必要になります。アナログ型のプログラムとは電線
 の付け替えになります。

 アナログコンピュータは、OPアンプを利用しますが
 積分器を利用した微分方程式を解くときに使うこと
 が多いです。

 RLCの直列共振回路や機械系動作を、解析する
 場合に多用されていました。



 自分が大学生のとき、石膏を利用した流体による
 電磁界解析で論文を書いた教授がいました。若手
 の教授、准教授からは電気電子の研究には不向き
 と言われていました。

 fluid mapperと呼んでいましたが、石膏で物体を作り
 色がついた水を流して、その流れ方で磁力線の解析を
 するという内容でした。

 最高学府の大学で、幼稚園児がやるような遊びのような
 方法で、電磁界解析するのを見たら一気に勉強する気が
 失せました。

 電気工学科の講義や実験で、数学を利用したり、回路に
 よる電磁界解析ならばヤル気もでたのでしょうが。

 土木や建築で扱う内容を、そのまま電気工学科にもって
 くることの創意工夫がない姿勢に税金泥棒という単語も
 浮かびました。

 今なら、3Dプリンタで物体を作り上げて対応できるので
 しょう。

 石膏は、一度作ったなら廃棄処分。木材なら燃やして料理
 や暖をとるのに使えます。再利用可能です。石膏とはいえ
 国立、公立の教育組織には金があるのだなと、印象が残り
 ました。

 fluid mapperでは、石膏を固めるのに、半日から一日必要な
 ため、解析は一瞬でも、準備にそんな時間をかけられないと
 いうのが若手研究者の一致した意見でした。また、システム
 を構成を少し変えたなら、また石膏を練って半日から一日の
 時間を潰すのは、時間の無駄と思います。

 解析は試行錯誤の連続になることが多いので、パラメータ
 を少し変えたいとして一日潰れると、何を対象にしていた
 のかわからなくなったり、集中力が続かないため、意欲を
 そがれるという短所があります。

 アナログコンピュータが使われなくなったのは、プログラムの
 しにくさと微分、積分に関連する数学を駆使するスキルが要求
 される、プログラミングがワイヤー結線になるため、再現性が
 乏しいこともあります。

 数学を自由自在に使いこなせるなら、回路に変換し、簡単に
 電気電子系、機械系のシステム解析ができます。

 数学を使いこなせない場合、scilabやoctaveを使った
 シミュレータで解析した方が楽です。



 アナログコンピュータは、積分器を中心に構成して
 システムを解析しますが、それだけでは数学モデル
 を構成して、システムをシミュレートできないので
 いくつかのデバイスを用意して対応します。

 どんなデバイスがあるのかを、リストします。

 反転器、倍率器、減衰器は、OPアンプの反転増幅器
 をひとつ用意すると、抵抗値の組合せで実現可能と
 いう、おいしい特性があります。



 加算器も反転増幅器の応用になります。



 加減乗除算ができないと不便ですが
 減算器は、反転器と加算器を使えば
 すぐに構成できます。



 加減乗除算のうち、乗算は倍率器を使い
 除算は減衰器を使えば実現できます。



 対数の演算ができないと不便ですが
 対数演算は、トランジスタあるいは
 FETを使えば、実現できます。



 アナログコンピュータは、積分器、加減乗除器を
 駆使して、数学モデルを構成するので、デバイス
 を少なくして、工夫でデバイスを使い回す能力が
 要求されます。

 プログラムはワイヤーの組換えになりますが
 OPアンプを使い回すことで、配線数を減らす
 あるいはOPアンプ数を減らすことに、醍醐味
 を感じられると、簡単なシステムモデルなら
 プログラムを書くよりも短い時間で、結果を
 出せるようになります。


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